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大阪在住の私が初めて東京に行ったのは、高校生の時。当時、仲良かった友だちと、18きっぷを使って、大垣夜行に乗って行ったのだった。鉄道が好きだったから、時刻表とにらめっこして旅程を決めたのだろう。詳しく覚えていないけど、東京に朝の5時前に着くようなダイヤだったのではないか。街が動き始めるまで、新宿のマクドナルドに友だちといた、気がするが、もしかしたら大学生になったくらいの時の記憶が混ざっているかもしれない。その後も何度か18きっぷで東京に行ったから。

あれから、35年近く。私はまだ18きっぷで東京に行くのだから情けなくなる。のんびりゆったりを楽しもうなんてことではなく、ただただ安い故の選択だ。同世代の多くにとって、東京・大阪の新幹線往復なんて「旅行」ではないくらいの、日常のひとコマだろうに。数年前に亡くなった父親は、高卒の中小企業会社員だったが、それでも忙しい頃は仕事でしょっちゅう往復していた。機嫌がいい時は、草加せんべいとかお土産を買ってきてくれた。大人になったら、新幹線なんて当たり前に乗れるだろう、なんて思い込んでいたが、全然違う未来になってしまった。

もう二度と乗ることはないだろう、とまでは思わないが、でも、死ぬまでに乗る回数は、たぶん残り10回以下だろう。東京に行くこと自体、それくらいか。暗い未来を考えていても仕方がない。別に東京へなど行きたいと思わなければいいのだから。東京・大阪の新幹線往復といえば、大学一年の夏休みに、生まれて初めてのアルバイトで新幹線車内販売の売り子をやったのだった。その時、20往復以上はしたはずだから、総乗車時間で言うと、そこそこあるかもしれない。どうでもいいことだが。

先日の東京往復旅行記を書いておこう、とパソコンに向かい始めたのだが、このように余計なことがあれこれ浮かぶ。自分へのツッコミというか、愚痴というか。それで先に進めない。

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