見出し画像

アセアンそよかぜさんと私と#青春と人生の交差点

個人企画「青春と人生の交差点vol1(初めての○○)」にお寄せいただいたnoteへ、拙いですが言葉を寄せたいと思います。

11人目は、アセアンそよかぜさんです。
※区切りまでのストーリーは全て小声の会話でお送りします。

 店内は、木造の倉庫をリノベートして作られたお店で、カウンター席とテーブル席が2客があるだけの小さなお店。店内には静かな洋楽のBGMが流れている。このときは和夫たちの他に、カウンターに陣取った常連らしい40歳代くらいの女性がひとりだけいて、静かにスマホを操作していた。空いているテーブル席に座ったふたり。ここで和夫はコーヒーを、ひとみはダージリンティを注文した。

「ねえリョウくん…そのドリンク、あの二人んとこ持っていくんでしょ?」
「へ?そうですけど…」
「ちょっとさ、何を話してるか、しれっーと聞いてきてよ…」
「なあんすか!そんなスパイみたいな。」
「だってあんな寄り添っちゃってもう…気になるううぅ~」
「ちょっと叩かないでくださいよっ!もーくくるさんは盛り上がると、すぐバンバン叩くんだからー」
「ほらあ、なんかさー、男の人?遊びなれてるって感じしない?」
「やけにチラチラ見ると思ったら、そんなの気にしてたんすか…マスタぁー、くくるさんが変なこと吹き込みまーす。助けてくださーい」
「くくるさんまだ昼ですよ?下世話だなあ…」
「いやいや。最近ね、『note』ってところでちょっと色々書いたりしてるんだけど、こういうのさ、ネタになりそうじゃない?いーから!ちらっと聞いてきてよぉリョウ君。後ろからそーっとさあ」
「…はあ…」

「失礼します!」
 ちょうど店のスタッフがふたりの前に来た。それぞれ注文したドリンクを声にだし、各々の目の前に出す。そして裏返しになっているレシートを静かに置き「ごゆっくりどうぞ」と小声でふたりに伝え、軽く頭を下げるとそのまま立ち去った。

「ね!ね!何話してた?」
「イテッ!だからそんな叩かないでって!…あーなんて言ってたっけな、プラ、プライマリーぃ?空港のラウンジで使える特別なカードとかなんとか」
「それをいうならプライオリティパスでしょ!…飛行機乗りなれてる人は、そういうので満喫するのよね。優雅ー!」
「わ、セレブなんすかねえ。」
「やだ!愛の逃避行だったりして。ほら、日本じゃ人目を気にして、おおっぴらに遊べないからさ、誰にも見られない海外で、のんびり羽根伸ばしちゃうやつ?リゾートホテルでメゾネットなんて借りちゃって!キャー!」「・・・ゲっスいわーくくるさん。妄想が過ぎません?」
「何よリョウ君・・・常連に向かってそんな口の利き方は」
「わ!そういうときだけ常連ってズルイ!マスターぁー、クレーマーがいまーす」
「はは…二人してコントしてるのかと思ったよ。それにしてもくくるさん、いつもはディナータイムに来るのに珍しいですね」
「ランチタイムに来たことなかったなーって思ってさ。お昼もいいわねえ。今度ここに来て書き物でもしようかしら。気分が変わって面白いかも。」
「へえ。どんなの書いてるんです?面白そう。」
「やだ!恥ずかしいじゃん…身内にだって書き物してるの内緒にしてるんだから。」
「でもくくるさん、リョウ君にスパイごっこさせて、このお店のこと書くんですよね?そりゃ見たいよ。はい、著作権ー」
「なにその手は!あ・・・じゃあその代わり、このお店の名前使って企画でもやろうかしら。そしたら見せるわよ。」
「企画?」
「うん。主催が立てたお題に書くことが好きな人たちが、言葉を寄せてくれるの。大きなものだと賞金もあって楽しいのよ!それにマスターが付けたお店の名前。青春と人生が交差するなんて…。この名前が素敵で入ってくる人、多いと思うの。私もそうだったし。」
「ありがとうございます。青春は何度もやってきて、それがクロスする度、その人の人生は厚みを増す。そんな場面を演出できるお店でありたいと思ってるんです」

「あのカップルも、そんな一場面をここですごしてるのかしらねえ。ほら、男の子の方なんて、女の子にちょっとでもいい顔したくて一生懸命でさ。なんかああいうの見ると。ハーー♡」
「く、くくるさん?なに一人で赤面してんすか…柄じゃない」
「デリカシーないわねえリョウ君は!もっと勉強しなさい。お?なんなら今度デートするか?少年!教えてやるぞー色々。んふふー。」

「嫌!ぜーったい嫌です!叩かれるのは店だけで十分!」

■□

書いてもらったnoteに言葉を寄せようと読み進めたら・・・え?カウンターの常連って・・・私?わ!表題がストーリーに盛り込まれてる!嬉しいー。

妄想が膨らんだ結果、こんな形でコラボしてみました。

「登場人物が自然と歩き出す」感覚。なんとなくですが、分かった気がします。書いててとても楽しかった!

毎日ゆったりと流れるように投稿されるアセアンそよかぜさんのnoteは、日常からそっと切り離してくれる感覚でゆったりと読んでいます。また世界が元気になり始めたら、新しい物語も聞こえてくるかもしれませんね。楽しみにしています。

ご参加ありがとうございました。

■□

次のお客様は、み・カミーノさんです。

甘い甘いはじけるような青春!ああ、お腹すいて来ちゃった…

では次回!








読んでいただきありがとうございました。これをご縁に、あなたのところへも逢いに行きたいです。導かれるように。