不良生徒が改心したキッカケは彼女のお陰なのです

〇〇:早く来すぎたな

彼の名前は〇〇。彼は毎朝、彼女と通学するため約束の場所で待ち合わせをしている

？？:〇〇くん〜

〇〇:来たか

息を切らしながら走ってきた少女こそ、〇〇の彼女、川崎桜。2年生の時に同じ委員会だった事がキッカケで知り合い、〇〇と作業していくうちにお互いに惹かれ合い付き合う事になった

〇〇:桜、遅いぞ

桜:ごめん〜寝坊しちゃった

〇〇:またかよ笑

平謝りしながら手を握って来た桜と話しながら学校へ向かう

桜:今日の事考えてたらなかなか寝れなくて

〇〇:今日の事？…新学期だからか

桜:そう！桜たち3年生になったんだし、何か起きないかなって

〇〇:さすがに何も起きないだろ笑

桜:〇〇くんはワクワクする事を探さないの？

〇〇:ワクワクねぇ…あんま考えた事ないな

桜:桜は毎日探してるよ〜？〇〇くんとどれくらい話せるだろうとか、お弁当のオカズは何だろうとか…些細なワクワクでも見つけると嬉しくなるんだ〜

〇〇:なるほどな…俺もやってみるな

桜:うん！一緒にワクワク探そうね〜！

そんな話をしていると学校に着いたので、入口にあるクラス分け表を確認する

〇〇:桜は5組だったぞ

桜:5組か〜笑 そういう〇〇くんは何組？

〇〇:俺は3組だった

クラスが違ったので桜は露骨に機嫌を損ねていた

桜:ぶぅ…最後くらい〇〇くんと同じクラスが良かったのになぁ

〇〇:まぁ…こればっかりは仕方ない

桜:休み時間の度に会いに行くからね

〇〇:おう

桜と一旦別れ、3組に入ると去年同じクラスだった井上和がいた

和:〇〇じゃん、また同じクラスだね笑

〇〇:マジそれ笑

和:さくたんは？

〇〇:あいつは5組だった

和:うわ〜…5組ってなかなかヤバい奴の集まりらしいけど大丈夫かな

〇〇:そういや、5組は女子が少ないって桜が言ってたな

和:4人しか居ないんだって、後はみんな男子ね

〇〇:マジかよ

ーその頃、桜はー

A:川崎さんじゃんか

B:アンタと同じなんてなぁ

桜:(この人たち…〇〇の)

クラスの男子に絡まれ、桜が困っていると

？？:ちょっと！さくたん困ってるじゃん

A:げっ…一ノ瀬…

去年、桜と同じクラスで仲の良い一ノ瀬美空が男子たちを叱責する

B:何だよ、一ノ瀬

美空:嫌がってるでしょ！止めなさい！

A:ちっ…

男子は舌打ちをしてから桜の元を離れ、男子と入れ替わるように美空が桜に駆け寄る

美空:さくたん大丈夫？

桜:みーきゅん…ありがとう

和:心配できたけど…もう大丈夫そうね

美空:あ、和

〇〇:ったく…新学期早々騒がしいな

桜:〇〇〜怖かったよぉ…

〇〇:大変だったな、もう大丈夫だ

A:〇〇…川崎さんと付き合ってから丸くなりがって

〇〇:へっ…元はと言えばお前らが俺にあの委員会を押し付けたのが桜と出会うキッカケになったんだ

B:てめぇ…！喧嘩売ってんのか？

〇〇:どうだかな…

1年前の〇〇は手が付けられない程の不良生徒でAやBと一緒に悪行を行っていた。しかし2人に押し付けられた委員会で桜と出会い、付き合うようになってから〇〇はすっかり丸くなった
その事をAとBは根に持っているのだ

和:〇〇、こいつらに関わるの止めなよ

〇〇:和…これも作戦のうちだぜ

和:えっ…？

〇〇:美空、用意できたか？

美空:もちろん！AとBが桜を脅してる動画はバッチリ取ってあるよ

A:何…！いつの間に

美空:〇〇に連絡もらったの、桜が何かされたらすぐに動画撮ってくれって

B:クソ…！

この後、美空が出した動画が証拠となりAとBはしばらく謹慎する事になった

ー通学路ー

〇〇:ふぅ…新学期そうそう疲れたぜ

桜:〇〇…迷惑かけてごめんね

〇〇:気にすんな、桜は何も悪くねぇよ

和:さくたんと付き合ってから本当に〇〇変わったね〜

美空:ほんとに〜口も悪くて喧嘩腰だったのに、人って変われるんだね

〇〇:うるせぇ

桜:桜はあの頃の〇〇も好きだよ？

〇〇:ありがとな

和:さくたんのお陰だね、〇〇がここまで丸くなったのは

和にそう言われ、桜と〇〇はお互いに顔を見合わせるのだった