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すれ違う平行線 2話
俺はあの日以来学校を休み家に居るようになったが、七瀬姉は何も言わず家に居ることを了承してくれている。その頃、和は…
ー和視点ー
和:お兄ちゃん絶対何か隠してる…
私が教室でそう呟くと親友の咲月が私の疑問を解いてくれた
咲月:和のお兄さんって彼女いたよね?
和:うん!与田さんだよ
咲月:何か与田さんの事で〇〇先輩が怒ったらしくて別れるんじゃないかって大騒ぎだよ?
和:そうだったんだ
咲月:和ってば知らなかったの?
和:お兄ちゃん一言も教えてくれなかったのよ
咲月:言えるわけないもんね
そう言って笑顔をうかべる咲月はどこか気まずそうだった
ー祐希視点ー
祐希:はぁ…
あれ以来私はすっかり気力を無くしていた…あんなに楽しかった学校での時間は今の私には憂鬱な時間に感じてしまう
久保:与田…和ちゃんが用事だって
祐希:うん…ありがとう
和:与田さん…お久しぶりです
祐希:久しぶりだね…和ちゃん
和:お兄ちゃんとの話聞きました…迷惑かけてごめんなさい
和ちゃんは私に頭を下げてきました。こういう真面目な所は〇〇そっくりです
祐希:何で和ちゃんが謝るの?謝らないと行けないのは祐希の方なのに
和:お兄ちゃんにも落ち度があると思うので
祐希:そんな事ない!〇〇は何も…悪くないの
和:与田さん…
私はこの後もずっと和ちゃんに謝る事しか出来なかった
ー〇〇視点ー
七瀬:〇〇、ご飯できたで
〇〇:サンキュ、七瀬姉
七瀬:祐希ちゃんと何かあったやろ
〇〇:お見通しだったか…
俺は事の経緯を七瀬姉に細かく話した。その間七瀬姉は深く頷きながら話を聞いてくれた
〇〇:という訳なんだ
七瀬:〇〇の気持ちもよう分かるけど祐希ちゃんだって悪気があった訳じゃないんやし…許してあげる事も大事やで?
〇〇:それは俺も分かってる…ただ祐希にあぁ言った手前、気まずくて…
七瀬:気持ちの整理がつくまでしっかり考えるんやで?
〇〇:おう
ー和視点ー
私は祐希さんと一緒に学校から帰っていた
和:与田さん…良かったら家来ませんか?
祐希:嬉しいけど〇〇が居るし…
和:山下さんとか久保さんも誘いましたから
祐希:それなら…行こうかな
私はすぐお姉ちゃんに『与田さんを家に連れてく』と連絡しました
山下:和ちゃん〜
久保:与田も一緒だったんだ
梅澤:与田…辛いだろうけど行くよ
私は4人の先輩と一緒に家に向かいました
ー〇〇視点ー
七瀬:〇〇、和が祐希ちゃん達連れてくるって
〇〇:あのバカ…余計な事しやがって
七瀬:美月ちゃん達も居るらしいから大丈夫やろ
〇〇:七瀬姉が相手してくれな?俺は嫌だぞ
七瀬:もう…きちんと話し合った方がええのに
俺が部屋にこもってすぐ、玄関から和の声がしたので帰ってきたのだなと分かった
和:お兄ちゃんは?
七瀬:さっきまでここ居ったけど今は部屋におる
和:もう…!
扉を少し開けていたのでリビングでの会話が筒抜けて聞こえてくる
ー祐希視点ー
私は和ちゃんに誘われ梅たちと〇〇の家に来た
けれど…私は〇〇が近くに居るに会えないという複雑な気持ちで胸がいっぱいだった
山下:与田、大丈夫?
祐希:うん…みんなが一緒だから大丈夫だよ
本当は大丈夫なんかじゃない。心の中ではそう思いつつも素直になれない私がいた
七瀬:祐希ちゃん…
祐希:私の存在って何なんだろ…
久保:与田…
梅澤:落ち込む気持ちも分かるけど、今は何とか〇〇と話す機会を得ようよ
祐希:うん…
私を気遣ってみんなが声をかけてくれ、その優しさに私がとても感動していると七瀬さんがある提案をする
七瀬:せや!みんな今日はうちに泊まって!なな達3人だけやと冷蔵庫の中が減らんくて
山下:いいんですか?
七瀬:ええよ!〇〇はウチが説得しとくから
和:さすがお姉ちゃん!
私は友人と一緒に〇〇の家に泊まる事になった
ー〇〇視点ー
七瀬姉が祐希たちに泊まっていったら?と言ったのを聞いた俺は部屋でイライラを募らせていた
〇〇:ったく…よりによってこんな時にアイツが泊まるなんて
コンコン
七瀬:〇〇?入るで
〇〇:おう
ガチャ
七瀬:さっきの話聞こえてたと思うけど祐希ちゃんたち泊まるから
〇〇:何で今なんだよ
七瀬:アンタと祐希ちゃんが少しでも早く仲直り出来るようにしたいんよ
〇〇:世話焼きなんだよ
和:お兄ちゃん…与田さんの気持ちも考えたの?
七瀬姉の後ろから和が顔を覗かせ、聞いてくる
〇〇:何でアイツの気持ちを考えるんだよ
和:お兄ちゃんの気持ちも分かるけどさ…好きな人に色々言われた与田さんの気持ちも尊重してあげるべきなんじゃないの?
〇〇:知るか、んな事…
和:もう…
ため息をつきながら和は部屋を出ていき、七瀬姉はご飯の時にまた来るとだけ言って部屋を出ていった
……To be continued
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