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子どもの時に、自分が一番愛されたと思えたら

私が子育てで一番大切にしたのは兄弟仲です。とにかく兄弟仲の悪い人が周りに多く、そんでもって親の世話や相続も重なり、大変なことになっていた方をたくさん見てきました。だから「兄弟がいるから不幸なんだ。一人っ子はかわいそうという幻想なんて糞食らえ!」とばかりに、子どもは一人と決めていましたが、人生思うようにはいきませんね、そうこうするうちに2人、3人、4人と子どもが増えてしまいました。増えてしまえば仕方ありませんよね、兄弟仲だけは親の力でなんとかしてあげたいと思い、あれこれ考え「個別の依怙贔屓」をすることにしました。というのも、一人一人が「自分が親から一番愛されて育てられた」という気持ちを抱けば、兄弟に対して嫉妬心を抱かなくなるのではないかと思ったからです。

あれから何年も経ち、今のところ、お嫁ちゃんも含めて兄弟仲は良い感じがします。これは多分に依怙贔屓しない子育てをしてきたからだと、ちょこっとだけ自負をしたりもしています。でも、依怙贔屓しない子育ては難しいし、私が依怙贔屓しているつもりは無くても、「お兄ちゃんばっかり」とか「お姉ちゃんばっかり」と受けとられたら、それはもう依怙贔屓したことになるので、本当のところは子どもに聞いてみないとわかりません。

で、この依怙贔屓しない子育てですが、やったのはただ一つです。それはできるだけ満遍なく一人一人をピックアップし、二人だけの時間を作り、その二人きりの時間、好きなものを食べさせ、とにかく話を聞き、君のことが子どもたちの中で一番好きだよ!とその子だけを依怙贔屓しまくるということ。もちろん子どもが多いので一人一人をピックアップするのは難しいですが、それでもこの「依怙贔屓しないための個別依怙贔屓大作戦」はなかなか良かったように思います。それが証拠に兄弟仲は大人になってもとてもよく、今も互いに家を行き来していますから。

そうは言うものの、全員に伴侶ができればその関係は変わるかもしれません。ただ、今のところ結婚した相手も巻き込んで、ああだこうだと仲良くやっているので、皆が結婚した時の科学反応は楽しみでしかありません。

とりあえず「私が親から一番愛された」という思い込みがあれば、兄弟に優しくできるはず。そしてその思い込みは「どこに行っても自分を愛してくれる人がいる」との錯覚につながり、その気持ちを持ってして、遠くへ羽ばたくことができるのではないでしょうか。誰もが自分を愛してくれるという錯覚。これさえ持つことができれば、やがて誰かを支えたいという気持ちを生み、結局この世知辛い世の中での生きやすさにつながると思うのです。親はこういう気持ちを喚起する下地を築いた上で、勉強に勤しむ環境を作れば良いだけだと思うのですが、いかがでしょう。

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