司馬遼太郎

高校生の時ぼくのバイブルは司馬遼太郎「竜馬がゆく」でした。全8巻を何度も読みました、坂本龍馬に憧れてました。

最近司馬遼太郎の名前あまり聞かなくなったのでここはあえて喧伝すべきかと思ったわけです。

他にも「国盗り物語」これは斎藤道三と織田信長、「燃えよ剣」は土方歳三、「花神」は村田蔵六、それぞれ主役に据え通解娯楽歴史小説を展開します、どれも面白い。

さらには「翔ぶが如く」これは西郷隆盛主役かと思いきや大久保利通はじめその同時代の近代日本の成り立ちに関わった偉人の話。西郷はいささかディスられてる感もあります。むしろ現代では人気のない大久保利通が非情ながらも冷徹に国造りを実践していった記録といった面も見られます少なくともぼくは大久保の見え方180度変わりました。

「坂の上の雲」はその後の時代日清日露戦争あたりが舞台、軍人の秋山兄弟と詩人の正岡子規を中心に物語を進めるが戦争始まると完全に戦争レポートと化します。武器や兵力の多寡を細かく記しているので割と疲れます。それでも司馬の代表作と言われるだけにズシンと重たい読後感は残りますが。

「世に棲む日々」「関ヶ原」「項羽と劉邦」なども面白いです。ただ中年になるまで避けていた作品に「峠」があります、タイトル地味だし幕末の長岡藩ってわけわかんないと思って。
我が恩師岬龍一郎先生に「是非読め」と推され読んだらクッソおもろくてそれまで避けてたのを後悔しました。もう何度も読んでますが読むたびに涙ぐむほどです。主人公は長岡藩の家老河井継之助、日本史的には殆ど無視されてますがすごい人です。

歴史小説好きじゃない人にも「峠」だけは読んでほしいなと願うばかりです。「竜馬〜」や「燃えよ剣」みたいな痛快さはありません、むしろ読後にモヤモヤします、河井継之助の選択は是が非か?と知人ともよく話しましたが未だ結論は出ないちょっとしたトロッコ問題でもあります。

司馬史観についても書きたかったが長くなったのでまた次回。

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