目標・目的・目印
一番のチームワークは、
全員が上手くなることだ。
少年野球の監督の言葉。
幼いながらに衝撃を受け、数十年経った今でも、その時の景色と共に鮮明に覚えている。
幼馴染のお父さんでもあるその監督は、チームを一変させた。
練習は厳しくなり、監督が来ることを恐れていたチームメートも少なからずいた。
自分もその一人だ。
でも、好きだった。
移動の車では勝手にシンドバッドを大声で歌い、練習では厳しく、試合では優しかった。
何より本気を感じていた。
練習は基本的に週末だけだったが、水曜日の夜に監督の家に行けば、庭でティーバッティングの指導をしてくれた。
当時は夜に外出できるワクワクも重なって、毎週大勢集まっていた。
仕事で疲れている平日の真ん中に、10人以上の子供の相手をしていた監督や奥様の大変さを最近ようやく考えることができるようになった。
今度行く時は高めのお酒でも持っていこう。
仲良しグループだったそのチームは、強くはなかったがチームワークはどこにも負けない自信があった。
それで良かった。
あの時、監督は全員に「チームワークとはどういうことだと思うか」と聞いていった。
答えは「助け合うこと。」「ミスをカバーすること。」に二分された。
「それも大切なことで、それはよく出来ている。
でも一番チームのためになることは、それぞれが上手くなることだ。」
家族、友達、学校、会社・・・
人と人とが関わる全ての場面に当て嵌まる。
結果的に上達しなくてもいい。その方向を向いているかどうか。
小学生にできたんだから、大人にできない訳はない。
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