& episode 001
シーザーサラダ。彼女の好物で、冷蔵庫にはクルトンとシーザードレッシングがストックしてある。
今日のサラダには、長野から届いたサニーレタスと、熊本県産のまっ赤に熟れたトマト。それから、鎌倉でデートしたパン屋で調達したバゲッドをクルトンにして、千葉の農園から直送してもらった半熟卵をトッピングする。
僕の彼女の名前は「くに子」。
「くにちゃん」と呼んでいる。
今日は僕の仕事の納品が迫っていて、夜なべ同然の疲れを持ち越しながら、彼女の朝の支度を預かることになったという背景。
決して、彼女が僕をこき使っているわけではないことを理解してもらいたい。(笑)
くにちゃんは、グローバル企業として有名な商社で働くビジネスウーマン。毎日、午前様でクタクタになって帰ってくる彼女と僕は今、半同棲をしている。僕は、彼女と結婚したいなと思っているけれど、毎日働きづめの彼女にわざわざそんなことを詰め寄るのは「残念な男」になってしまうと思うので、想いを寄せながら温かく見守ろうと思っている。
彼女に必要なのは、「いたわり」であると僕は考えるからだ。
彼女の勇士は、僕の誇りで勇気だ。
オトコの僕がそんなことを言うと頼りないかもしれないけれど、彼女が凛として働く姿はそう感じずにはいられない。
この物語は、僕目線でくにちゃんを綴るものである。
彼女の素敵なエピソードを読みにきてくれると嬉しいかな。
どうぞ宜しくお願い致します。