後手中飛車対超速銀対抗研究


図1

こんにちは、昨日散歩に出かけたら、びっくりするくらい暑くて、いよいよ夏の訪れを感じました。もう夏なのかーと思うこの頃です。

さて、今回は超速対銀対抗穴熊の研究をしていきたいと思います。
最短で駒組をしていった図1が基本図になります。とりあえず、後手としては穴熊に組めているので一安心というところですね。後手の方針としては21桂+44銀を交換に持ち込む。角は最低銀交換or敵陣に成りこむのが目標になってきそうです。

分岐①(図1→図2):いきなり45桂馬と仕掛けた局面

結論:42角、55銀左に55飛車切が成立し、中飛車持ちの展開

図2

ここで42角55銀左には同飛!が成立しそう。(図2-1)
飛車と銀桂の二枚替えになっているのと穴熊の堅さがあるので勝ちやすいと思う。それに加えて以下のポイントが結構デカいのではと感じた
15角の飛び出しが大きい(37角成が受けにくい)
84桂の筋が結構厳しい
36銀と刷り込む手が厳しい(36銀+持駒の銀で居飛車の飛車をいじめれる)
中飛車側は飛車の打ち込みに強い陣形

図2-1

ここで15角を受けるために
①24歩とすると、24同角~56歩の攻めが純粋ながら厳しい
②16歩とじっと受けると33角が冷静でこのとき、先手の手が難しい。
後手としては71金を寄る手や、36銀と刷り込む手や64桂馬(84桂馬)見せておくくらいで、十分手を作れると思う。


分岐②(図1→図3):16歩を突いてから45桂馬と仕掛けた局面

結論:中飛車持ち
42角、55銀左、同飛車、45銀に(図3-1)
①22飛車は32銀打ちがあって互角ながら、個人的には中飛車持ち
②46銀引は33角があって互角ながら、個人的には中飛車持ち
③24歩は同歩、46銀、同銀、同歩、37銀打ち!があって結論中飛車持ち

図3

図1から16歩、71金の交換を入れた局面
先手の16歩の意味合いとしては15角を消す大事な1手で、後手の71金は将来の53桂打ちを消していたり、穴熊を完成させる大きな手。

図3-1

この局面やはり居飛車の手が難しい

まず、ぱっと見える22飛打ちは、
32銀打、24歩、同歩、同飛、同角、同飛成、39飛、28竜、36飛成までは一直線で進む。
下図3-1-1は22飛車の変化でここまでやってようやく互角の局面。

図3-1-1

角銀交換で駒損ながらも、玉形の差があることや76飛車だったり、後手の25桂跳ねがあることを考えると、個人的には後手の方が勝ちやすい気がする。
相手の竜が22にいくと、56歩~57歩の筋が激痛のようで、先手の手が結構難しい局面だと思う。

図3-1に戻って他の候補を考えると
次に見えるのが、46銀引き
46銀引には33角!という強手があって、以下同角成、同桂、21飛車までは一直線に進む。32銀か52金か悩ましいが、32銀とすると、11飛車成、44角、66角(77角は同角同桂で桂馬を跳ねさせられて狙われる展開になる。)、同歩、46銀に45桂!が強手

図3-1-2

この局面も評価値的には互角で、
ここで同歩とするのは55角41竜同銀29飛でいい勝負。
中飛車側は香車損ながら玉が堅いのと、飛車を手持ちにしているのは大きいのでアマチュア的には勝ちやすい気がする。
居飛車53角打ちが最善手だが、55角打ち、12竜、37桂成、18飛、66角、77銀打ち、44角と進んで互角の評価値ながらも後手の方が指しやすい気がする。(ここは人次第ですが、)

図3-1(再掲)

図3-1に戻って
気になる24歩ですが
同角が自然なのですが、46銀引というのが好手で案外難しい
以下、同銀、同歩、56歩打、同歩、46角、23飛成、57歩と5筋から攻めていくのがいいらしい。(図3-2-1)

図3-2-1

58銀や64香や46馬~56馬のような感じで指して形勢はやや先手寄り(+400)だが、実戦的には中飛車が勝ちやすそうな局面(図3-1-4)

図3-2-2

上記局面が好まないなら

図3-1(再掲)

図3-1に戻って、24歩には同角と取ることになる。
以下46銀同銀には37銀打!という手がある
37銀打に対しては、飛車の逃げ方が色々あるが、
18飛車と逃げると26桂馬17飛車38桂馬成で次の26銀成で飛車を捕獲できる。(どこかで、11角成とされる手が見えるが、33角ぶつけの要領で角が捌けるので、角成は気にしなくてよい!)
29飛車と逃げると38銀打59飛車47桂馬打で飛車を捕獲できる。
③最善の27飛車と逃げると46銀成、11角成56歩36成銀!が地味ながら好手(図3-3-1)

図3-3-1

上図、3-3-1で、
①29飛車と逃げると46桂が継続の手で58金寄りに38桂成が厳しい
②28飛車や17飛車と逃げると57歩~33角で大捌きができる。(57歩については68金寄りは36銀打ちで相手の飛車を捕獲できるため同金と取るが、そこで33角同角同桂が45桂の先手になる。)


分岐③(図1→図4):16歩から45銀と仕掛けた局面

結論:香損はするが、玉の堅さも大きく、中飛車も指せる将棋

図4

この局面では35歩という手もあるが、ソフトで検討したところ、中飛車の方針が分かりにくいので同銀と取る方がいいと思う。
35歩、同銀、同桂、51角、55銀、33桂(図4-1)

図4-1

①同桂は同角で先手意外と困る
(ア)同桂同角66銀引と安定させようとすると65銀打が強烈(同銀は88角成~55角で王手飛車取り)
(イ)同桂同角56銀打は64桂で中飛車ペース
(ウ)同桂同角56歩は45銀打65銀打ち64歩で少し中飛車ペース
同銀直しかないが、56銀と刷り込んでおいて中飛車やれると思う。(図4-1-1)
56銀に57歩とするなら65銀引きで次の72桂馬が厳しい。
54歩垂らしにも57歩68金42金としておけば、難しいながら桂馬が捌けていて、拠点も出来ていて、玉も堅いので結構中飛車ペース。

図4-1-1

図4-1に戻って
②46銀引には45桂でどうか?
(ア)11角成には37銀打、27飛、46銀成、同歩、38銀、17飛、62角で難解な形勢。香車損+馬+歩切れながらも、穴熊+飛車が取れそうなので形勢は互角。18飛車~47銀成が厳しい
(イ)同銀には74歩、11角成、73角、46香、55角、56銀、51飛、55桂、72金上(図4-1-2)で、次の37角打ちや75歩で中飛車ペース。

図4-1-2

分岐④(図1→図5):16歩+29飛車から45桂馬と仕掛けた局面

結論:図4-1とほとんど合流する。中飛車そこそこ。

図5

図1から71金、16歩、29飛、74歩、45桂には51角が好手
以下55銀左、同銀、同銀、33桂と進む(図5-1)

図4-1とほとんど合流するので割愛するが、中飛車の方針は以下の通り

①86桂馬~76桂馬を狙う
②73角~37角成を狙う(場合によっては55角とぶつける)
③銀が2枚手に入ったら38銀を狙う
④7筋が弱点なので、75歩を狙う
⑤香損までなら互角の範囲内

分岐⑤(図1→図6):16歩+29飛車+68金で待機した局面

結論:堅さで有利が取れて、居飛車は下手に動くとカウンターを食らうため中飛車ペース

図6

このように落ち着いた将棋を居飛車が目指して来たら一発75歩が好手!
以下同銀なら56歩から1歩交換同歩なら72飛車としておくと居飛車側から手を作るのが困難になる。そのあとは51金61金と3枚穴熊にしていけば相当負けにくい将棋になる。
中飛車の方針としては動いてきたらカウンター狙いで実践的に勝ちやすいと思う
51金→61金で待機(居飛車側無理に45で動いてきたら、左銀と21桂馬を交換して十分)
桂馬が入ったら76桂馬(86桂馬を狙う)
42角や52飛車で待機しつつ、歩交換になったら35歩を狙う

最後に
ソフトで丸一銀対抗穴熊型を研究してみましたが、かなり有力そうな気がする。まだ、全然勉強できていないので、少しずつ勉強していきたいなーと

最近では戸辺誠プロが指されていたりする新しい指し方なので、プロの棋譜を参考に勉強していきたい

あと、まだ読んでいないのですが、目次をぱっと見た感じ二枚銀に対して穴熊を指していそうなので、今後読んでさらに定跡を進化させていきたいですね!

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