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だって聞かないと思ったから

「だって
聞かないと思ったから」

学校にいきたくない次男君のお話の続きです🌿
バス停でひっくり返った翌日は
学校を休み1日一緒に過ごしました。
午前中は畑で芋やピーナッツ掘り
お昼ごはんのあとは森に薪拾いへ
「ああ、毎日森で遊べる学校ならいいのにな。自然が大好きなんだよ」

次男と自然が
深いところで結びついてる
だから次男は大丈夫
心からそう思いました

私が薪を集めている間
こびとさんが冬に過ごすおうちをせっせと作る次男
聞こえるのは
鳥のこえ
風の音
蜂の羽音
次男の鼻息
自然の中に入り込み
自分と自然と対話するとき
言葉はいらない

目の前の世界とひとつになり
指先と呼吸と眼差しと
心で対話する心地よさを知ってる次男にとって
目の前に広がる世界とはかんけいなく押し寄せる
言葉とやるべきことと情報の洪水に対処していくこは
それはそれは疲れることなんだろうな
少しずつ耳も目も鼻も口も覆って
順応しようとすればするほど
心も体も全開で世界にぶつかっていく
知りたい!やりたい!好奇心の固まりの彼の生きる意欲がしぼんでしまうのかもしれない

それでも彼は
この世界の中にでて
自分で生きていかなくてはならないから
どうやって世界の様々な有り様と折り合いをつけていくか
その対処のための色んな選択肢を
一緒にいられる時間の中で
一緒に体験して見つけていくことが
親としてできることなのかな
と感じてます

これまでも学校を休みがちな次男でしたが
バス停でひっくり返るほど嫌がるようになったのは
学習発表会の練習がいやだ
という主な理由がありました
自分でなく他の友達が注意されたりするのもやだ
ちゃんと並べてないとか、歌を間違えたとかで何度もやり直しするのもやだ
知らない人の前で何か言うのは恥ずかしいからやだ

やだ やだ がいっぱいで
楽しいことが霞んで
全部やだになっちゃったんだね

それならどうしたらいいだろう

辛いときは自分を大切にするため避けてもいい
という対処
これまで、私もどちらかというと、そうやって辛いことに無理にあわせるのでなく別の道を選ぼう
という選択肢を示しがちでしたが
今回、まだ一度も経験したことなことを前に、わからないがゆえの不安や心配がストレスになっている次男にとって
それならやらなくていい
という選択肢よりも
避けずに思いを伝え、どうするか話し合う選択肢のほうが大切だろうと思い
学校の先生へ次男が気持ちを伝える時間を持つことを約束に、学校を休むことを了解しました

夕方、学校に近づくにつれて
「なんにも言わんけんね」
と緊張が高まっていく様子
「お母さんは、みんなで何かを作り上げていくことで
みんなともっと仲良くなれることがあると思うから
学習発表会に参加できたらいいな、と思ってるよ」
と伝えると
「セリフを言わないでただ立ってるだけならいいよ
あと、カマキリチームの役とかは
絶対やりたくないんだよ」
と言う次男

しぶしぶ車から降りたものの
捕まえたコガネムシをいじりまわしてしゃがみこみ
先生の顔を見ようともしません
「ママが言ってよ…」

これは待っても言い出すの難しいんだろうな

セリフを言いいたくない意向を先生に伝えると
「そうなの。それなら、セリフはなしにしましょう、ね。」
と先生

それを聞いて、ほっとしたのかやっと顔をあげた次男
「あと、カマキリチームもやりたくない」
先生はびっくりした様子で、
「そうだったの!それは言ってくれないとわからないから、嫌なら嫌と言ってね」
すると、次男は下を向いて
「だって
聞かないと思ったから」

ああ
そこか…

聞いてもらえないから
伝えなくなる
聞いてもらえないだろうから
最初から諦めていく

その積み重ねのなかで
主体的に何かしようという意欲も
自分が生み出していけるという自信や希望も
しぼんでいってしまうんだろうな

逆の視点に立てば
聞いてもらえる土壌があれば
どんな環境の中においても
子どもは自分を発揮していく力を安心して現していけるんじゃないかな

それは
学校に限らず
こどもたちに限らず
全てにおいて当てはまること

聞いてもらえること
それは
大切にされている
尊重されている
その現れに他ならないから

🌿🌿🌿

先生との対話のあとの次男君は
すっかり表情も明るくなり
次の日の服を準備して眠りにつき
朝も自分から起きてきて
ぐずることなく学校へ行きました

学習発表会では
ステージの後ろのほうでソワソワとたってる姿があり😃
みんなで歌うシーンでは、真面目に歌ってるのが伝わってきましたよ(マスクしてるから表情見えないのが本当に残念)
その場に一緒に立てた
それだけで十分
ひとつ乗り越えた彼を心から誇らしく感じました

帰ってきた次男君に
ステージの次男君の見てたよ!と伝えると、嬉し恥ずかしそうにギュー💞やってみたら大丈夫だったし、他の学年の出し物を見るのも楽しかったようです🎵

気持ちを言葉で伝えることで初めて理解してもらえる事がある
逃げないで向き合い、話し合うことで、お互い納得して新しい選択肢が開けることがある

今回、次男君と
そんな体験を分かち合えたことを
何より有りがたく感じています

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