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14歳の栞を観てきた。

先日、友達に招待券を頂いて、渋谷で『14歳の栞』を観てきた。そこで感じたことをここに記す。

最初に言っておきたいことがある。

私は14歳ののとき、いじめにあった。
クラスメイト全員に無視された。

それについて最初に説明しておこうと思う。

私が元々いた中学校は、1学年300人、9クラスという、いわゆるマンモス校だった。
その中でも、私のいたクラスは、スクールカーストが酷かった。女子17人中、12人が1軍というクラスだった。授業で笑いすぎると目をつけられ、クスクス笑われ、少しでも1軍に反抗すると裏で陰口を言われる、そんなクラスだった。

私は、中学2年生になったばかりのある日、同じ部活だった友達に連れられ、あるクラスメイトの女の子の家に行った。この子は足を怪我しているために学校に来られずにいて、私はこの子のことを名前しか知らなかった。

後から聞く話、この女の子は、母親からDVを受け、父親と兄と3人で暮らしていた。しかし、その父親も兄もあまり家に帰って来ず、ほとんど1人で暮らしていた。

その子が学校に復帰したのは5月ごろ。私はその子と、もう1人女の子と3人でいるようになった。

しかし、6月に入ってから、急に、足を怪我しているあの子から無視されることが増えた。
理由はわからない。怖い。
それは、週に1回から、2回、3回と、時が経つごとに増えていき、10月には、毎日、何を言っても聞いてもらえなかった。もう入れてもらえるグループなど無い。誰も構ってはくれない。



完全に1人になった。



1人でいるのは寂しかったが、それよりも恥ずかしかった。周りにいつも監視されているような気分だった。

グループを作って作業してください。

これほど怖い言葉はなかった。
なんとか春には一緒にいた3人で組もうとして私が行っても、その子はもう1人の女の子を連れて私から遠ざかっていった。
私が他のグループの子を見ても、みんな目をを逸らした。

14歳というのは難しい。
周りの目が1番気になる。
学校に電車で行くこともない。
言葉や行動の手加減を知らない。

これが私の14歳だ。

その後、私は千葉県の中学校から都内の中学校に転校をした。

幸い、たくさんの心優しい友達に恵まれ、転校してから今日まで、幸せな日々を送っている。


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私は、"14歳"のクラスのドキュメンタリーだと知った時、これは観るしか無いと思った。あのクラスを、あの時より、少しだけ大人に近づいた、この高2の時期に第三者目線で見てみたい。

14歳の栞を観て、当時の記憶が蘇った。なんだかありきたりのような言葉になってしまって悔しいけれど、友達がいることのありがたさを思い出した。

今となっては友達がいることがごく当たり前になってしまっているけれど、それって実はすごく特別なことなんだと思う、多分。

中学校特有の下ネタを叫ぶ男子も、恋バナで盛り上がる女子も、全てが懐かしく、こんな私でも何故だか見ていてとても心地よかった。


他にも、

早くこの中学の仲間から別れたい。
馬鹿は馬鹿で放っておけばいいんですよ。

こう言っている子たちがいた。まさか幸せそうなクラスでも、こう思っている子たちがいるということに驚かされた。
友達のことはわかっているつもりになっていても、実は知らないことの方が多い。実際私もこの過去をごく数人の友達にしか打ち明けていない。

この映画に登場する、2年6組の生徒がこの映画を見たとき、クラスメイトが本当はこういう人だったと知ったとき、どのように感じるのかがとても気になる。


『14歳の栞』は、とんだどんでん返しなどない。
ある中学校の、ある1クラスのごく普通の日常を切り取った作品だ。しかし、観客は自然とこの映画に引き込まれる。映画内で男子がふざければ、一緒に笑う。この120分の間だけ、観客全員が14歳に引き戻される。
観た後は心が温まり、誰もが、自分の通ってきた中学時代を思い返す。
劇場では、上映後、自然と観客から拍手が湧き上がった。


3月5日に全国5都市で公開だそうだ。
是非、たくさんの人に見てほしい。
いろんな人と感想を分かち合いたい。

最後に、この映画を制作してくださったCHOCOLATEさんと、招待してくれたゆいちゃんに感謝を送り、締めとする。


p.s. 以下の動画に、私の感想を掲載していただきました。本当に嬉しいです。
ありがとうございます。

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