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昇進・異動・海外赴任時に初速を上げるための事前準備

最近は30-40代の新任管理職と、より若い世代の海外トレーニーのメンタリングが増えてきました。新たな環境や働き方に直面するわくわくとドキドキが、こちらまで伝わってくるような日々です。

どちらも共通して感じるのは、自分が今、転換点に立っていることを認識する機会があるかどうかで成長速度が大きく変わるということ。
これまでと同じ拠点や組織で管理職に昇進される場合、それまでにチームリーダー的な役割としてマネジメントの訓練期間を経ている方が多いようです。
それはプレイヤーからマネージャーへの移行を図るために有効な機会なのですが、同時にこれまでの延長線で新たな役割を迎える遠因にもなっているように感じます。実際、「来月から管理職になるけどやることは変わらない」という発言、聞いたことありませんか?

海外赴任の場合でも、これまでの担当分野の役割を負って着任されることがほとんどのため、まずは現地のニーズを把握した上で専門性を活かして貢献しようと仰る方が多いです。強みを活かして価値提供するのは勿論大切なことですが、プレイヤーとして問題解決に追われていると、本来の役割を見失うことがあるかもしれません。「火消しに追われて長期目線でやるべきことができていない」というのも、赴任後しばらく経った駐在員からよく聞く言葉です。

また、ある大手企業の現地法人トップは、「赴任してきても、未知の状況で自分で考えられない人材は活躍できない。残念だがそういう人材はすぐに送り返すようにしてきたら赴任者は少数精鋭になった」と仰っていましたが、それはリソースの豊富な大手だから可能なのは否めないでしょう。

最近、海外トレーニーを派遣する会社はよく理解されていて、以前よく見られたように役割が曖昧なまま送り出して現地での経験や挑戦を本人任せにすることなく、限られた期間内で果たすべきミッションとその先の期待に向けた成長指標を丁寧に示し、モニタリングして必要により軌道修正する仕組みを整えられています。

そういった方と面談していると、現地着任後の立ち上がりがとにかく早いことに驚かされます。
本人の意識は勿論のこと、受け入れる現地法人側でもトレーニーの位置付けをよく理解して役割を準備しているため、1ヶ月目から実務貢献と本人の学習・成長が加速しています。

この点は、駐在員の方が昔ながらの放任状態のように感じます。

マネジメントの立場でも、専門家としての赴任でも、渡航先のポジションではこれまでの働き方や視座の変革が必要なことを認識する機会を早い段階で持つことが、現地での成果、また自分自身のパーソナルブランディングに大きく影響します。

赴任者は元々実務能力が高い方が多いでしょうし、能力は短期間で大きく変わらないとしても、変革に向けて意識を整える機会を提供することは、会社にとっても有益なことと思います。

国内でも海外でも、新たなポジションに就かれた時に、そこで本質的に求められる役割と、そのために自分の何を変えるのかを、短期と長期の時間軸で改めて考えてみると、違う景色が見えるかもしれません。


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