あなた、友達いないでしょ

「あなた、友達いないでしょ」

そんな台詞をテレビドラマで耳にすることがある。意図は、「あなたは友達ができない、寂しい人ですね」という嫌みである。ドラマでなくても、現実の世界でも似たようなことを言われる。

友達の有無、多さは、人柄のよさを示す指標となっている。確かに周りに人がいっぱいいる人は、それだけで楽しい快活な人のように思える。人が慕っているように、支持しているように見える。しかし、だからと言って、逆に友達がいないことを理由に非難することは妥当なことなのだろうか。

友達が多いからと言って、それが本当に友達と言えるかどうか。単に近くにいればメリットがあると考え、近づいているだけかも知れない。メリットがなくなれば、すっと離れていく。例えば、会社で役職を失った人でそういう目に遭った人を何回か見かけたことがある。

友達がいないことは悪なのか。友達がいないのは、一人が好きだからかも知れない。過去に友達がいても、苦い思い出があり、二度と友達は作らないと決心したのかも知れない。ただの人見知りでいないだけかも知れず、友達付き合いをしたら本当は楽しい人かも知れない。いろいろな事情があっての、現在の状態に過ぎない。

私には今、友達と思いたい人はいるが会えず、友達と言える人はいない。少し寂しい。話し相手がいないから。誰にも何も相談できないから。でも、それは今まで生きてきた選択の結果であり、悔やんではいない。それに、友達になりたい人が今いるから。

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