それぞれの地域での特別演奏会に思う。

ご無沙汰しております。さいとうです。

2024年ももう5ヶ月目。月日が経つのは早いですね。
さて、私の職場は今週(5月3週目)は兵庫、石川で特別演奏会を開催しました。

弊社は1年で10回ほど主催公演を毎年開催しておりまして、6回の定期公演、京都定期、いずみホール特別演奏会は毎年、あと2公演が内容を毎年変えて実施いたします。
昨年はバーンズチクルスがその中に組み込まれ、今年は兵庫と石川での特別演奏会を開催しました。

大阪を出ての演奏会は3年前の名古屋以来。ということになりますが、大概の演奏会はありふれた前半クラシック、後半ポピュラー音楽という無難なプロに落ちつくのですが(いや、これは演奏会の規模やコスト面で出来ることとできない事があるのです。他社さんのみならず、弊社も同様に。)3年前の名古屋はドラゴン、ブリュッセル、指輪物語なんてラインナップにした弊社です。
主催で演奏会をするからこそ、妥協はしない、そして、お客様に今の弊社の音を、大阪と同じクオリティ演奏を披露したい。という気持ちがあります。

ですので今回の2回の特別演奏会もその心意気は変わらずな選曲にしてみました。

まずは、メインから据えるのですが、やはり昨年の100周年、そしてバーンズチクルス、チクルスCD発売とこれはぜひ聞いていただきたいと、言うことでチクルスでも一番人気だった交響曲第3番を選びました。
みなさんご存知の通り、世界初演・第100回定期・チクルスと歴代の節目節目で演奏してきた交響曲です。
今回の演奏では出版譜通りのバリトンサックスでの演奏。それにしても、2人の指揮者で1週間で2回の本番はこれも珍しい機会。それぞれのマエストロの音楽はまさにライブでしか楽しめません。

そして、今年は全日本吹奏楽の課題曲の収録担当でしたので課題曲全曲を演奏。特別演奏会で取り上げるのは2019年以来のこと。ここ数年、なかなか取り上げる機会が少なかったので久々の機会となりました。
兵庫公演では2番の作曲家である近藤礼隆さん、3番の作曲家である酒井格さんもご来場頂き、さらに翌日の石川のリハーサルでは近藤さんが再び。偶然ながら石川の指揮を務めて頂いた永峰さんは近藤さんが中高時代に所属していた吹奏楽部の指揮者をされていたそうで、このような形でステキな再会が出来たこと、その再会のお手伝いをできたことも嬉しく思います。
この、風がきらめくときは音楽のつくりをイメージされたベースは永峰さんがベースになっているとも。リハ後にはそのまま理想像の姿だった。との近藤さんの談も印象的です。

とここまではすんなり決まり、さて、前半の課題曲との組み合わせです。オーソドックスにアルメニアンダンスとか色々考えたものの、なかなかすっと落ちません。と、ふと頭を巡らせたのがお国もの。

兵庫県、そして石川県で産まれた曲を取り上げようと考えたのです。兵庫はちょうど吹奏楽連盟が2024年に90周年を迎え、委嘱記念曲が書かれたばかりの八木澤さんの作品を。氏は会場の兵庫県立文化センターから程近い、神戸女学院で教鞭も取られています。

そして、石川が数多くの作品が産み出された土地で、迷いに迷いました。と、色々思案していたところに年明けの地震。今なお復興は進んでいないとの事で、心を痛めてます。改めてお見舞い申し上げます。
地震のことを思案しながら、出てきたのが能登を題材とした2作品です。

鈴木英史さんの「虹色の海」は能登半島先端の小木町の中学校の委嘱で書かれた作品で、英史さんの初期作です。光の祭典やメリー・ウィドウセレクションなど、この時期に石川の団体とは数多くの作品を残してます。
演奏後に英史さんに伺った話ですが、この小木中学校は今年廃校になるとのことで、当時の顧問の冨田先生にもこの演奏を石川で聴いて頂いたのも良き機会であったと思います。

もう一曲はリードの第7組曲。この曲は能登半島の中心都市、輪島にある輪島吹奏楽団の委嘱で書かれました。
のと輪島空港の建設着工をお祝いしてという意味を持ち委嘱されたこの作品、リードとしても最後の組曲でありましたが、リードらしさが随所に出て来る味わい深い作品です。センチュリーオブフライトとの副題は、空港とともに未来への期待を込めてという希望を書いていますが、今は空港を含めた能登半島全体を私たち音楽家が応援をする。という意味も込めて選曲しました。その昔、ニューウインドレパートリーでも選曲した年以来の久々の演奏。数多くの作品を演奏紹介した市音の歴史も鑑みる機会となりました。

アンコールも石川にちなんだ「ゴールデン・イーグル」石川国体のメインマーチでリードと石川県との交流はここから始まり、先の輪島吹奏楽団さんも名誉指揮者として、リードを敬愛し、その音楽は石川との絆としてつながります。
石川公演では吹奏楽連盟のリクエストでもう一曲、フレキシブルコラール集の中からアメージンググレイスを。石川の吹奏楽連盟はコンクールの課題曲としてブレーンから出版されているフレキシブルコラール集のなかから一曲を選択することになっており、今回は八木澤さんのアレンジのアメージンググレイスを取り上げてみました。

たまたまですが、リード2曲、鈴木英史2曲、八木澤教司2曲としっかり均等に割り振られたのは偶然というか、巡ったというか。

今回の地方公演は初めてshionを聴く方にとって、どれか一つでもこの曲を知っている。聞いたことのあるメロディだ。をクラシックの中で一節でも知っていてほしい。と、吹奏楽大国、日本では各県に様々な曲が生まれているのです。その県に残る曲を取り上げなきゃもったいないと思うのです。そのうち日本全国のレパートリーなんか取り上げてみたいのですよね。というくらい、その地のレパートリーはたくさんあるのです。やっぱりその地の作品はしっかり演奏しなければ!特に(所謂コンクールとは無縁の)作品こそ、末長く取り上げたい&取り上げて欲しいものです。

長々と書いてしまいましたが、今回の特別演奏会、色々な所の縁を感じながらが連続でした。ご縁の力は本当に凄い!!ありがたさしかございません。


これからも引き続き、OsakaShionWindOrchestraをよろしくお願い致します。また、どこかでお会いしましょう!

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