アメリカのミリタリーバンドを追って(1)

アメリカのミリタリーバンド、presidents own〜所謂大統領直下の各種軍隊の軍楽隊であります。

その役割の1番は国のための公式行事などの吹奏だが、慰問や、教育まで役割は多種にまたがります。

その慰問や教育の一環として、各軍楽隊は録音アルバムを作っています。中身は愛国心を謳うもの、クリスマスアルバムなどジャンルは多岐にわたります。その中に所謂クラシックの作品も取り入れられるますが、その代の隊長の意向で傾向がだいぶ変わることもあります。

当然のことながら、アメリカの軍事予算の中から使われるため、アルバムの多くは無料で配布、かつその配布もアメリカ国内に限定されます。
そのため、日本にはその現地で受け取ったアルバムでしか一般的には国内ではお目にかかれません。
ただ、現物を望まず、音源だけでも聞きたい!という方は最近ですとナクソスミュージックライブラリではLP時代に遡っての音源が多数ストリーミングで聴けるようになっていたり、その他、AppleMusicなど、各配信の媒体でも聞くことが可能です。良い時代になったものです(しみじみ)

その軍楽隊バンド、国を代表するいわば広報隊の意味を成すので、超一流の奏者を揃えています。日本の吹奏楽愛好家がその素晴らしい演奏を知るところになったのは、古いところではNHKFM「ブラスのひびき」でのゲイブリエル大佐、アメリカ空軍コンサートバンドによる「フェスティバル・バリエーション」の演奏は、秋山紀夫氏のあの名調子とともに、脳裏に残っている方も多いかもしれません。そして後年には、同じ空軍バンドでのバーンズ「交響曲第3番」はそのクレジットはないものの、出版社のサンプルCDに収録されており、演奏もさながらながら、その録音の良さも注目を浴びました。このような演奏はほんの一部で、出版社からのサンプル演奏(もちろんクレジットはない)などで存在を知ることができるだけで、その全貌はカタログもないため、どのバンドが、どれくらいの録音を残しているかは掴めていません。


1999年の3月に八重洲出版が刊行していた月刊誌「バンドピープル」の最終号にてコラムを担当していた樋口幸弘さん、石本和富さんが最後だからと言って書き逃げをして廃刊。というなんとも確信犯的な逃げ方をしてくれましたが、これが後の2002年にパワーハウスから販売されたマリンバンドコレクションに繋がるわけですが。

おそらく関係各所への折衷も難しかったのでしょう。以後は続かず、後にはコーストガードバンドとマリンバンドの来日公演が日本のメーカーからは出たのみです。

アメリカですと、マークカスタムがミッドウエストやABA、WASBEなどのライブやエアフォースバンドのklavierの復刻(最近は止まり気味)、国内流通はAmazonでしかほぼ購入できませんが、軍楽隊専門レーベルのalttisimmoが色々と再発してます。

この辺りはレーベル名を調べればある程度品目が出てくるでしょう。それは各ご自身で調べていただいて、今回は所謂オリジナル盤の数々をバンドごとにご案内していきましょう。

つづく。


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