「プレイリストの共有ってちょっとエロくない?」
タイトルの言葉は私の大好きな友人との会話です。
あまり上品な言葉ではないけれど許してください、お酒が入った女子大生2人の会話なんてそんなものです。でも言い方は置いておいて、私本当にそう思うんです。
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本当にお気に入りのものって、人には教えず自分だけのものにしておきたかったりする。私の場合は、感性の表れでもある言葉や音楽。特に音楽。それらはずっと人生を共に歩んできたものたちだから、ある意味私そのものなのだ。
私というか、私の感性そのもの。私の中で物事に対する感性って人生におけるコアみたいなものだから、簡単に教えることを躊躇ってしまうのだろう。
特に音楽のプレイリストなんてその最たるものだ。その言葉が好きで、メロディーが好きで、感情と共にあったものたちが詰まっている宝箱のようなもの。
でもだからこそ、共有したいと思える相手のことを本当に大切に思う。私にはそんな大切な相手が2人いる。
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まず1人目は、冒頭の会話の相手となってくれた高校時代からの親友Aちゃんである。
「知りたいけど知りたくないものってあるよね?」と問いかけると
「好きな人の香水とかね」と返してくれる彼女のことが私は本当に好きだ。
彼女の魅力を言葉で説明し切るのは難しいが、美人でおしゃれで優しくて少し繊細なところがあって、でもしなやかに強くてロマンチストなAちゃんのことが私は大好きだ。彼女は表現することが好きで、特に綴る言葉はとても美しい。タイトルのようなふざけた会話をすることもできるし、ショートケーキのスポンジの隅に眠る苺を夢の象徴だと言うような美しい感性も持っている、楽しくて素敵な人だ。
彼女とは特に言葉を共有する。静謐で色彩が綺麗で、人と人との関わりを丁寧に描いた作品たち。彼女のおかげで私の観たい映画リストはとても豊かだし、お礼に彼女の21歳の誕生日には私のお気に入りの本を贈った。夏の一瞬のきらめきを閉じ込めたような作品で、彼女によく似合う。
2人目は元恋人の彼だ。彼はプレイリストを教えてくれた唯一の人。
彼とはAちゃんとのように感性が似ているということはない。それでもとても魅力的で、だからこそ私に新しい世界を見せてくれる。
残酷なまでに純粋で、強いようで脆くて、それでも決して逃げずにしっかりと自分の道を歩んでいる彼とは今まで数え切れないくらいたくさんの曲を交換してきた。彼が教えてくれた曲は繊細だけれど聞いていて楽しくなるようなグルーヴ感があって、まるで彼本人のようだった。私たちの関係に恋人の名をつけるのはそぐわなかったけれど、それでもやっぱり彼のことを大切に思うのだ。
作った曲を聞かせてくれるし、好きな詞を伝えられる。そしてお互い大事なことを相談しあえる。ずっとそうやって私の人生にいてくれたら嬉しい。彼の感性に触れられない人生なんてつまらない。
本当はここで彼のおかげで出会えた曲を載せたかったのだけど、ふふ、今はまだ秘密にしておきます。
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言葉や音楽。それらが私を形作っていると実感するからこそ、本当に大切な相手にだけ教えるし、教えるときはドキドキしてしまう。胸のドアをそっと開けて、そこを覗き込まれているような気持ちになる。でも決して嫌な気持ちではないし、むしろ心地よい。
私にとってそれは、相手と自分の間にあった一線の内側にあなたには踏み込んで欲しい、ということの意思表示なのである。数は多くないけれど、そうしたいと思う相手がいるということは本当に幸せだなと思う。
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昨晩、元恋人の彼と電話した。雨に濡れた紫陽花が綺麗な夜だった。
電話の最後に、彼は前と同じ暖かくて柔らかな声で「好きだとか良いと思ったものがあればまた教えて欲しい、俺も作ったものを共有するから」と言ってくれた。その言葉を聞いてやっぱり好きだなあと思ったけれど、その”好き”の形が私の中でちゃんと変化していることに気がついて嬉しかった。たぶん、私たちはこれで一生関係を続けることができるだろう。
尊い2人に感謝を!
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