癒しの歌声をもつまでの日々 〜 メロディ・ガルドー
メロディ・ガルドー、2020年リリースの『サンセット・イン・ブルー』には、包容力に満ちた、人生と音楽の喜びを聴き手に手渡したいと願うメロディがいた。
そして、病苦を体験し、乗り越えてきた者だけが届けられる強さもありました。
本作のライナーノーツとして書いたテキストをお読みいただき、メロディへの理解に役立てて下さい。(以下、3,322文字)
メロディー・ガルドーは、いつもその存在のあり方で、聴く者を魅了してくる。優しさと、ちょっぴり憂いを含んだ歌声で、聴き手を励まし、抱きとめてくれる。第3作にあたる『カレンシー・オブ・マン〜出会いの記憶〜』から5年が経ち、この新作『サンセット・イン・ザ・ブルー』では、コロナ禍にある今の時代にあって、人と人の繋がりの大切さ、人を愛し続けること、夢を持つ続けることの大切さが、13曲(+日本用ボーナストラック1曲)の歌によって伝えられる。
後述するが、ダークな色合いが強かったデビューの頃、そして社会派と呼んでもいい、社会に対する提言に満ちていた3作目を経て、今はより包容力に満ちた、人生と音楽の喜びを聴き手に手渡したいと願うメロディがいた。そして、病苦を体験し、乗り越えてきた者だけが届けられる強さもあった。
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中川ヨウです。ジャズを核とした音楽評論/研究をしています。日々拡張するJazzの動き。LiveやNew Albumについて書きながら、拡張…
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