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散歩と写真 19/? 羽田まで

今年は雨が多い気がする。普段働いている代々木までは自転車で行っているが、雨が降り続けると満員電車に揺られる日々を過ごすことになる。

写真に撮ると雨は嫌いじゃないんだけどね
表面張力

通勤電車が嫌いで、職場が変わるたびに引っ越すぼくにとっては東京の満員電車はストレスでしかない(ストレスにならない人がいると思えない)

ある休み、ぼくは体調を崩した。なんだか咳き込む。熱は幸いなかったが体がだるい。なぜか目も腫れている。

その日は十年来の先輩からバーベキューに誘ってくれた日だった。旧友もたくさん来るらしい。
音楽とパーティをこよなく愛している彼からはたくさん大事なことを教わった。何より教わったのは強い酒の味だけど。
そんな彼ももう二児のパパ。

一瞬だけ無理をして出席しようかと思った。でもここで無理したら友達にも翌週の仕事にも迷惑がかかる。
子ども連れで来る人も多いし、普段学校を営んでいる職業柄、風邪での勤務はご法度だ。

10年の月日は少しだけぼくを大人にしたようだ。

先輩にバーベキューが行けなくなった旨を伝え、布団に潜り込む。そういえば最近うまく眠れていなかったっけ。


午後までこんこんと眠る。起きると体調は良くなっていた。ただの疲労だったようだ。
もそもそと起きて一本堂の食パンにピーナッツバターをつけて食べる。インスタントのコーヒーと糖分で脳を起こす。

LINEの通知にはバーベキューの様子が。そろそろ解散する時間のようだ。子ども連れも多いしね。
15時になるころには楽しそうな写真がアルバムにまとめられている。みんないい笑顔だった。

会えなかったことは残念だけれど、笑顔が見れたことはとてもよかった。二次会もあったみたいだけれど、風邪っぽかった手前、行くのはやめておいた。


とはいえせっかくの休み。
多動傾向のぼくは動かないと身体が破裂してしまう。
自転車に乗りたかった。開けた窓から、前日の雨と強風のおかげで綺麗になった外気が流れてくるのを感じる。

1時間ぐらい、ゆっくり漕いでどこかへ行きたい。
時間は16時を回っていたけれど、夏が近づいている今なら、往復2時間、ちょうど陽が落ちる頃に帰れるだろう。

つい先日、多摩川を下り武蔵小杉まで自転車で行ったっけ。
もう少し先まで行ってみよう…羽田か!

google mapでざっくりと距離を調べる。うん。一時間強で行けそうだ。

多摩川沿いを走る。武蔵小杉を越えて蒲田の方へ。

テンションが上がってgoogle mapをパシャリ。

少しずつ潮の香りがしてくる。飛行機が飛んでいるのが見える。

河は海の香りがした。

蒲田の街を横目に自転車を走らせる。

そろそろ羽田かな。信号が赤で、自転車を止める。青になる。車と一緒に動き出す。
視界が開けた。柵が見える。車の隙間にJALの赤いマークが見えた。

なんだか感動。別に飛行機が好きなわけではないが、スマホのシャッターを盛んに切る。
田舎生まれのぼくにとって、羽田は東京モノレールに乗ってくる場所だった。道があれば自転車だって来れる。google mapにも道は書いてある。でも、実際来れた実感が心を動かした。

ゴオォ、っと大きな音。

来てよかったぁ。雨続きの少し鬱屈した気分を飛行機と青い空が晴らしてくれた。

さらに奥に進む。奥は臨海部のはずだ。

河口


釣り人。空には小さくなっていく飛行機。


白鷺が海を歩く

さらに奥まで進む。臨海部の端っこが見えた。

飛行機を見送る。

少しだけ黄昏て時間を見る。18時をすぎていた。背中に夕焼けの暖かさを感じる。

自転車を逆に向け、来た道を戻る。
来た時には気づかなかった看板を見つけた。

へぇ〜

多摩川0km地点から自宅へ。
次サイクリングに行く時は多摩川を上ってみよう。


また蒲田の街へ




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