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この恋、射抜きますっ!

恋とは無縁だと思ってた

そんな私がまさか…


美青:あっ!こんなに好き!

美羽:うわぁ、びっくりした〜

美青:ご、ごめん…

美羽:また○○くん?

美青:うん…

美羽:ホント好きだね、伝えればいいのに

美青:っ!?そそそそんなことできる訳ないじゃん!!!


きっと彼の目には私なんて映ってないよ

…そもそも私のこと知ってるのかな?

クラス一緒だけど私は目立たないし

それに比べ、彼は人気者

イケメンで

身長高くて

頭も良くて

ダンスできるって知った時はびっくりしたな

そんな彼だもん


美青:私のことなんて見えてないよ…

美羽:…よし!決めた

美青:ん?

美羽:その恋、射抜くよ!

美青:…えっ、えぇぇぇええっ!?!?



○○:……


朝のHR。

机に突っ伏してる彼を二つの影が…


美青:むりむりむり…ぜっっったいむり…!

美羽:なにしてんの…!?早く、人きちゃうよ…?

美青:だ、だって…喋ったことないよぉ…

美羽:おはようくらい言えるでしょ…

美青:うーん…うーん…

美羽:ええい!ほらっ…いってこい!

美青:うわっ!?


押し出された体はちょうど彼の目の前で停止する


○○:…んぁ?


あっ、やばい…目合っちゃった……

どうしよどうしよどうしよどうしよ


○○:…な、なに?

美青:…ん……ぁ……あぅ………


咄嗟に振り返るが、そこに美羽の姿は見えなかった

やばいやばい…私、○○くんに見つめられてる///

って、違うでしょ的野美青。

この状況をなんとかしないと!


美青:お……おh…

○○:…おはよう…?的野さん

美青:っ!?!?


えっ!?

今、的野さんって言った!?

くぅ〜///

嬉しいですぅ!ありがとうございますぅ!!!


美青:おっ、おは……おはよ……///

○○:なんか顔赤くね?大丈夫?

美青:っ!?は、はい!ぜぜ全然大丈夫でひゅ!

○○:……ふふっ、面白いね的野さん

美青:そ、そんな///私なんて…


やばいやばいやばいやばいぃい!

私、○○くんとめっちゃ喋ってる!

夢みたい…

でもこれ以上は……


美青:…し、心臓がもたぁぁあん!!!

○○:えっ?し、心臓?…ん?

美青:わ、私はこの辺でドロンしますぅ…
し、失礼しました!

○○:えぇ?…あっ!ちょっと!
……ん?これは…



美羽:さてさて、どうだったかな?

美青:み、美羽ぅぅう…


ただ一人の親友の胸に顔を埋める


美羽:ちょっ///急にやめてよ…///

美青:……恥ずかしくて爆発しそう…

美羽:あいさつしただけでしょ?

美青:うーん…訳わかんないこと言っちゃったぁ……


あ"ぁ"、なに!?ドロンしますって!?

もうやだ……絶対キモイって思われてる

はぁ…


美羽:……泣いてるの?

美青:……うぅ…

美羽:こらっ、泣かないの


そう言うと美羽は持っていたハンカチで私の涙を拭ってくれた


美青:…どうしたらいいんだろ……

美羽:美青…

○○:あっ、いたいた

美青・美羽:!?

○○:的野さん、これ落としてたよ

美青:こ、これ…


それは恋愛成就のお守り

このお守りに込められた願いはもちろん…


○○:…絶対叶うよ!

美青:っ!?


お守りを渡して、彼は教室へと帰っていく

絶対叶う…か

とても複雑な感情を抱いてしまった


美羽:…やっぱ叶えたいんでしょ?この恋

美青:……

美羽:諦めれないんでしょ?

美青:…うん

美羽:じゃ、やることやらなきゃ


その胸に覚悟というものを初めて刻んだ気がする



とは言ったものの


美青:ふにゅ〜……

美羽:はやく食べな?

美青:しょ、食欲が…


あれから何も起きないまま、お昼になっていた

結局、喋ることが出来なかった

不甲斐なさを感じながら○○を見つめる

ご飯を食べてる所もかっこいい///


美青:ぐへっ、んふふっ///

美羽:……抑えて


ふと…彼と目が合ってしまう

彼は微笑んでくれた

その笑顔に私は…


美青:あっ///ぐふっ…!!!

美羽:!?ど、どしたの美青!?


盛大にむせてしまった

また変な奴だと思われちゃう

チラッと彼を見ると、何か口を動かしている

今こそ読唇術の出番!


○○:(大丈夫?)


えっ

大丈夫?って言ってる…?

はぁぁ…///

私は必死に頷く

すると彼は再び微笑み返してくれた


美羽:……顔が蕩けてる…



学校も終わり、帰り支度をする頃


美羽:あっ、今日ちょっと先生に用事頼まれてるから

美青:そうなんだ、全然待ってるよ

美羽:何言ってんの?

美青:…え?

美羽:誘うチャンスでしょ

美青:いやいやいや!無理だよ!

美羽:じゃあ楽しんでね〜


そう言い残して美羽は教室を出ていってしまった

なんか美羽のこと待ってたら怒られそうだし…

はぁ…一人で帰ろ


○○:ねぇ、的野さん

美青:っ!?ひゃ、ひゃい!!!

○○:ごめん、ごめん…驚かせちゃったかな


近い近い近い近いぃ!

心臓の鼓動が聞こえるんとちゃう?

なんで関西弁


美青:ど、どうしたの…?

○○:今日さ、一緒に帰りたいなって

美青:……えっ!?

○○:嫌なら全然嫌って言ってもらって…


今までの私なら断ってたかもしれない

でも、覚悟を決めたでしょ

射抜くんだ、この恋を


美青:…い、いいよ

○○:ホント?やったね

美青:……か、可愛い…///

○○:ん?なんか言った?

美青:なななな何も言ってないです!



色々な話をしながら、ひたすら歩いた

知らなかった事をたくさん知れた

今まで関わってこなかった時間を埋めるように

不思議だな

とても心地が良い


○○:…的野さんってさ、どんな人がタイプなの?


その一言で黙ってしまった

目の前にいるから


○○:なんかごめん…

美青:ううん…タイプだよね?


矢を放つなら今

的に当たるかは分からないけど…

放たなければ


美青:……○○くんみたいな人かな…

○○:……え?

美青:…いや、○○くんがいい…

○○:ほ、ホントに?

美青:ずっと大好き、もちろんこれからも

○○:……///


射抜いた

確かにそう感じた

このまま押し切る


美青:私と…付き合ってくださいっ!

○○:……はい、喜んで!

美青:……射抜いちゃった…///

○○:え?なに?

美青:ふふっ、なんでもな〜い


私は自分に自信なんて持てなかったけど

少しくらいは自信ついたかな?


○○:でも、こんな俺でいいの?みたいな

美青:言ったじゃん!○○くんがいいって

○○:たしかに!言われてました

美青:あはははっ


これからも的は外さない

退屈な時間なんて過ごさせない


美青:実は私も踊れるんだよ?

○○:えっ!?そうなの!?

美青:今度一緒に踊ろうね!

○○:いや、今すぐ踊ろうか

美青:あははっ、今すぐ〜?


がむしゃらに踊った

ただひたすらに

誰にも邪魔できない二人だけの時間


美羽:ふふっ、信じてたよ美青…お幸せに

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