この恋、射抜きますっ!
恋とは無縁だと思ってた
そんな私がまさか…
美青:あっ!こんなに好き!
美羽:うわぁ、びっくりした〜
美青:ご、ごめん…
美羽:また○○くん?
美青:うん…
美羽:ホント好きだね、伝えればいいのに
美青:っ!?そそそそんなことできる訳ないじゃん!!!
きっと彼の目には私なんて映ってないよ
…そもそも私のこと知ってるのかな?
クラス一緒だけど私は目立たないし
それに比べ、彼は人気者
イケメンで
身長高くて
頭も良くて
ダンスできるって知った時はびっくりしたな
そんな彼だもん
美青:私のことなんて見えてないよ…
美羽:…よし!決めた
美青:ん?
美羽:その恋、射抜くよ!
美青:…えっ、えぇぇぇええっ!?!?
◇
○○:……
朝のHR。
机に突っ伏してる彼を二つの影が…
美青:むりむりむり…ぜっっったいむり…!
美羽:なにしてんの…!?早く、人きちゃうよ…?
美青:だ、だって…喋ったことないよぉ…
美羽:おはようくらい言えるでしょ…
美青:うーん…うーん…
美羽:ええい!ほらっ…いってこい!
美青:うわっ!?
押し出された体はちょうど彼の目の前で停止する
○○:…んぁ?
あっ、やばい…目合っちゃった……
どうしよどうしよどうしよどうしよ
○○:…な、なに?
美青:…ん……ぁ……あぅ………
咄嗟に振り返るが、そこに美羽の姿は見えなかった
やばいやばい…私、○○くんに見つめられてる///
って、違うでしょ的野美青。
この状況をなんとかしないと!
美青:お……おh…
○○:…おはよう…?的野さん
美青:っ!?!?
えっ!?
今、的野さんって言った!?
くぅ〜///
嬉しいですぅ!ありがとうございますぅ!!!
美青:おっ、おは……おはよ……///
○○:なんか顔赤くね?大丈夫?
美青:っ!?は、はい!ぜぜ全然大丈夫でひゅ!
○○:……ふふっ、面白いね的野さん
美青:そ、そんな///私なんて…
やばいやばいやばいやばいぃい!
私、○○くんとめっちゃ喋ってる!
夢みたい…
でもこれ以上は……
美青:…し、心臓がもたぁぁあん!!!
○○:えっ?し、心臓?…ん?
美青:わ、私はこの辺でドロンしますぅ…
し、失礼しました!
○○:えぇ?…あっ!ちょっと!
……ん?これは…
◇
美羽:さてさて、どうだったかな?
美青:み、美羽ぅぅう…
ただ一人の親友の胸に顔を埋める
美羽:ちょっ///急にやめてよ…///
美青:……恥ずかしくて爆発しそう…
美羽:あいさつしただけでしょ?
美青:うーん…訳わかんないこと言っちゃったぁ……
あ"ぁ"、なに!?ドロンしますって!?
もうやだ……絶対キモイって思われてる
はぁ…
美羽:……泣いてるの?
美青:……うぅ…
美羽:こらっ、泣かないの
そう言うと美羽は持っていたハンカチで私の涙を拭ってくれた
美青:…どうしたらいいんだろ……
美羽:美青…
○○:あっ、いたいた
美青・美羽:!?
○○:的野さん、これ落としてたよ
美青:こ、これ…
それは恋愛成就のお守り
このお守りに込められた願いはもちろん…
○○:…絶対叶うよ!
美青:っ!?
お守りを渡して、彼は教室へと帰っていく
絶対叶う…か
とても複雑な感情を抱いてしまった
美羽:…やっぱ叶えたいんでしょ?この恋
美青:……
美羽:諦めれないんでしょ?
美青:…うん
美羽:じゃ、やることやらなきゃ
その胸に覚悟というものを初めて刻んだ気がする
◇
とは言ったものの
美青:ふにゅ〜……
美羽:はやく食べな?
美青:しょ、食欲が…
あれから何も起きないまま、お昼になっていた
結局、喋ることが出来なかった
不甲斐なさを感じながら○○を見つめる
ご飯を食べてる所もかっこいい///
美青:ぐへっ、んふふっ///
美羽:……抑えて
ふと…彼と目が合ってしまう
彼は微笑んでくれた
その笑顔に私は…
美青:あっ///ぐふっ…!!!
美羽:!?ど、どしたの美青!?
盛大にむせてしまった
また変な奴だと思われちゃう
チラッと彼を見ると、何か口を動かしている
今こそ読唇術の出番!
○○:(大丈夫?)
えっ
大丈夫?って言ってる…?
はぁぁ…///
私は必死に頷く
すると彼は再び微笑み返してくれた
美羽:……顔が蕩けてる…
◇
学校も終わり、帰り支度をする頃
美羽:あっ、今日ちょっと先生に用事頼まれてるから
美青:そうなんだ、全然待ってるよ
美羽:何言ってんの?
美青:…え?
美羽:誘うチャンスでしょ
美青:いやいやいや!無理だよ!
美羽:じゃあ楽しんでね〜
そう言い残して美羽は教室を出ていってしまった
なんか美羽のこと待ってたら怒られそうだし…
はぁ…一人で帰ろ
○○:ねぇ、的野さん
美青:っ!?ひゃ、ひゃい!!!
○○:ごめん、ごめん…驚かせちゃったかな
近い近い近い近いぃ!
心臓の鼓動が聞こえるんとちゃう?
なんで関西弁
美青:ど、どうしたの…?
○○:今日さ、一緒に帰りたいなって
美青:……えっ!?
○○:嫌なら全然嫌って言ってもらって…
今までの私なら断ってたかもしれない
でも、覚悟を決めたでしょ
射抜くんだ、この恋を
美青:…い、いいよ
○○:ホント?やったね
美青:……か、可愛い…///
○○:ん?なんか言った?
美青:なななな何も言ってないです!
◇
色々な話をしながら、ひたすら歩いた
知らなかった事をたくさん知れた
今まで関わってこなかった時間を埋めるように
不思議だな
とても心地が良い
○○:…的野さんってさ、どんな人がタイプなの?
その一言で黙ってしまった
目の前にいるから
○○:なんかごめん…
美青:ううん…タイプだよね?
矢を放つなら今
的に当たるかは分からないけど…
放たなければ
美青:……○○くんみたいな人かな…
○○:……え?
美青:…いや、○○くんがいい…
○○:ほ、ホントに?
美青:ずっと大好き、もちろんこれからも
○○:……///
射抜いた
確かにそう感じた
このまま押し切る
美青:私と…付き合ってくださいっ!
○○:……はい、喜んで!
美青:……射抜いちゃった…///
○○:え?なに?
美青:ふふっ、なんでもな〜い
私は自分に自信なんて持てなかったけど
少しくらいは自信ついたかな?
○○:でも、こんな俺でいいの?みたいな
美青:言ったじゃん!○○くんがいいって
○○:たしかに!言われてました
美青:あはははっ
これからも的は外さない
退屈な時間なんて過ごさせない
美青:実は私も踊れるんだよ?
○○:えっ!?そうなの!?
美青:今度一緒に踊ろうね!
○○:いや、今すぐ踊ろうか
美青:あははっ、今すぐ〜?
がむしゃらに踊った
ただひたすらに
誰にも邪魔できない二人だけの時間
美羽:ふふっ、信じてたよ美青…お幸せに
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?