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二人だけの革命前夜 上

ネオンが輝く夜の街

ぎこちなさを必死に隠しながら

彼女は足を踏み入れる


ひかる:わぁ…すごい…


初めての景色に思わず

「綺麗だ」と

純粋なその心で


男:ありゃ〜?子供がこんなとこ来ちゃダメだよ〜

ひかる:っ!?


見知らぬ男に後ろから肩を抱かれる

怖い…いやだ…やめて…

だけど、受け入れなくちゃ

借金を返さないと…


男:見た感じ高校生だよね〜

ひかる:は、はい…

男:ふふ、大丈夫だよ…俺は優しいから

男:そうだな〜5でどう?

ひかる:ご、5万ってことですか…?

男:うん

ひかる:…わ、わかりました


すぐそこのホテルへと

部屋に入るといきなり

ベットへ押し倒された


ひかる:きゃっ!?

男:あーかわいいね〜///


男は私に覆い被さり

慣れた手つきで……


ひかる:っ…!い、いやっ…

男:あぁ///いい匂いだ〜


これもお金のため…

自分にそう言い聞かせる

あれ?泣いてる…

覚悟したはずなのに

やっぱりさ


ひかる:いやっ!!!

男:っ!?


ばちんっ!と乾いた音が響く

時が止まったようだった

状況がよく飲み込めなかった


ひかる:あっ……

男:……何すんだよ!ガキが!


まずい

逃げないと

気がつけば駆け出していた


男:おい!待て!

ひかる:はぁ…!んっ……はぁっ…!


走った

ひたすら走った

何度転けた事だろう

だけど止まらない



ひとけのない廃墟ビル

その階段を一歩、また一歩と

気づけば屋上


ひかる:…結局こうなるんだね


歩みを止める事はない

思わず笑ってしまった


ひかる:あっははは!バカみたい…

ひかる:もう私の居場所なんてないや

ひかる:…恵まれたかったな

ひかる:……じゃあね


人生で一度は憧れた

この空へ羽ばたこうとした時


○○:ダメだよ

ひかる:…えっ?

○○:死んじゃダメ

ひかる:…もういいんです

○○:どうして?

ひかる:どうせ生きてたって、私に居場所なんてないですから

○○:居場所ならあるよ

ひかる:ないですよ

○○:僕が君の居場所になる


何を言ってるんだこの人は

私のこと何も知らないくせに

軽々しくそんなこと言わないでよ…

今の私には十分すぎる言葉だった

押さえ込んでいた感情が…

私は見ず知らずの彼に

思わず抱きついてしまった


ひかる:う…ぁ……うぅ…

○○:大丈夫だよ

ひかる:ぁ……うぁぁぁぁあ…!


なぜか彼の言葉は

とても安心してしまうんだ



それから私は話した

両親が多額の借金を残し飛んでしまったこと

体を売ろうとして逃げて来たこと

彼は全てを受け入れてくれた


○○:高校生だよね?

ひかる:そうです

○○;実は僕も

ひかる:え!?そうなの?


時間など忘れて喋り倒した

夜も遅いのに大丈夫なのかな?


ひかる:時間は大丈夫?

○○:あー…気にしなくていいよ


表情が一瞬曇ったように見えたが…


ひかる:そういえばさ…

○○:ん?

ひかる:「僕が君の居場所になる」って言ってたけどさ

○○:あー言ったね

ひかる:そのぉ…///…期待しちゃってもいいのかな?///

○○:……僕でいいの?

ひかる:…いいよ、○○がいい


私にはあなたしかいないから

あなたとなら歩いていける


ひかる:…借金どうしよ

○○:一緒に返していこうよ

ひかる:それは悪いよ…

○○:僕はひかるの彼氏だよ?

ひかる:う、うん///……でも…

○○:乗り越えていこ


なんでもない夜に出会った二人

会うべくして出会った二人

これは

二人だけの


革命前夜だ。


to be continued…


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