職人

みなさんこんちくわぶ。

先日twitterにて「職人」と言って貰えた事が嬉しかったよしおです。

とりあえず全俺が泣きました。

一言に職人とざっくり言ってしまうのもちょっと違う気もするのですが、自分がやっている金属加工とひっかけて職人というものについて話してみたいと思います。

職人と聞くと

「うるせえ!仕事は見て覚えろ!」

そしてスパナで殴られる

といったイメージがあるんじゃないでしょうか。

少なくとも自分がこの仕事を始める時はそんなイメージがありました。

実際はスパナでは殴られてはいませんし、強い口調で言われることはありませんでしたが、普通に教えてはくれなかったです。

機械の使い方はさすがに教えてはくれますが、それ以上は聞いても答えを教えてくれることはありませんでした。

そんな感じでこの業界に入ってきても何も教えてくれない!と辞めていってしまった人も結構いたそうです。

今教える立場になって思うのは

そりゃ教えようがないよな

ということです。

自分はもともとモノづくりが好きでしたし、覚悟をもって飛び込みましたのでなんで教えてくれないんだ!とは思わなかったのですが、技術を教えるのって難しいんですよね。

例えば

これってどうやって作ればいいですか?

って聞かれた場合、答えが少なくとも2パターンはあるのでなかなか答えづらいんです。

そもそも見た瞬間にわかるので「1+1っていくつですか?」って聞かれたような感覚になるんです。

いや、わかるじゃん。普通にやればいいやん。って

要は何がわからないかもわからないから答えられないんです。

聞いてくるときに

自分はこうやろうと思っているのですが、なにか注意することありますか?

と聞いてもらえれば、そのやり方のメリットデメリットを教えることもできますし、さらにもっといい方法を教えてあげられることもできます。

そしてそのやり方が自分にとって今までなかった方法で新しい発見をすることも多々あります。

ですので所謂職人さんと接する時は自分の考えをちゃんと持ったうえで質問をしていただければと思います。

それでもちゃんと答えてくれない場合もありますので、相手は選んでくださいね。

次に金属加工の職人と言われると、所謂汎用の旋盤、フライスを使っている人を思い浮かべると思いますが。。。

汎用の旋盤、フライスって言われてもわからない?

まぁ簡単に言ってしまえば実際に手で機械を操作し加工してるやつです。

僕が使っているのはNC旋盤、マシニングというもので実際に手で操作をすることはありません。

手で動かすところをGコードというプログラムを書くことによって機械に指示を与え機械に加工してもらいます。

そうなるとですね、職人感がガクっと減るんですよ、困ったことに。

銅をカンカンぶっ叩いて鍋にしたり、うつわに漆を塗って素晴らしいものを作り上げているのを見ると、ザ職人という感じがするんですけれど、機械をポチっとしてるだけだと職人感ないし、もっと言うと簡単そうに見えるんですよね。

肉体労働的な視点で見ると非常に楽です。

それは間違いないです。

一日中立っている必要もありませんし。

ただ皆さんが思う以上に経験と知識が大事になってきます。

例えば初めての金属を加工する場合、汎用ですとちょっと様子を見ながらということは比較的に簡単にできます、やばそうだったらすぐ止められますしね。

ただNCの場合はそう簡単にはいきません。

様子見の加工でチロっと削ってみるということは出来ますが、それが大失敗だった場合、刃物がへし折れる、品物が吹っ飛ぶ、やばいときは機械が壊れ何百万と修理費がかかることがあります。

まぁそこまでいくことはなかなかないですが、ちょっとやってみよう、というハードルが汎用に比べて非常に高いです。

勿論汎用の職人の技術は素晴らしいです、ただNCの職人にも技術というものがしっかりとあるんです。

結構知らない人に、覚えるのは難しそうですけど理解しちゃえば楽さうですよねー、って言われるんですよね。

確かに技術が上がって経験も増えると簡単な物をやるときはどんな仕事よりも楽だとは思いますw

しかしそうなるためには経験からくる技術というものが必須です。

そしてその技術は文字に起こして伝えられるものでもありません。

品物の固定の仕方、使う刃物の突き出し量、刃物の材質、などで毎回正解は変わってきますし、品物の形状によってはベストではない方法で加工をやらざるを得ない場合もあります。

いってしまえば毎回正解が変わるので解の公式を教えてあげることができない。

と、いう事になります。

ですので北斗神拳よろしく一子相伝、見て覚えろという事になるんですね。

もちろん根本にある不変の考え方というのはありますし、それの応用と言ってしまうことは出来ますが応用のバリエーションが多いため複雑化してしまって、言語化が極めて困難になっています。

と自分に対する職人、技術というものに対する考えを書いてみました。

ここからは自分の完全な私見になるんですが

日本人ってこの職人的気質が他の国に比べて高いんじゃないかと思っています。

戦国時代に外国から鉄砲が入ってきて、当時の鍛冶職人がすぐに解析し作り上げてしまい、外国人が驚いたという逸話があるように。

昔からモノつくりって日本人が外国に誇れるものだと思うんです。

別に外国をディスってたり、日本すげー!とかって意味じゃなく。

だから日本のモノつくりを盛り上げて、技術を上げていってもっとMADE IN JAPANの価値を高めていきたいと、日本の職人の一人として思っています。


















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