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Inventor / 液面を表現する

Inventorのフォーラムで、「タンク内に液面を表現したい」というスレッドがあります。液面の高さを図面で図示する方法に関する質問でした。

そこでは、「水のパーツソリッドを用意して」とさらっと書かれていましたが、この液体の部分のソリッドを作る方法について、?な方も多いと思ったので、液面の表現方法をまとめてみました。特に、

  1. 容器のサイズが変わっても液体の形状が追従する

  2. 液面の高さ、液体の質量などを図面上に表現する

という事にこだわってみました。

容器モデル

容器はどんなモデルでも構いません。今回は、サイズが変えられる様にパラメトリックに作っています。

水(液体)

水のモデルの作り方はいろいろあります。簡単な形状ならば、水単体のモデルを作ることも出来ますが、複雑な形状でも対応出来る様、容器の形状を基に作成する事にします。

作り方はシンプルです。まず、容器のサイズより広いプロファイルを液面の高さまで押し出したモデルを作ります。そのモデルから、容器の内面形状のサーフェスで切り取れば完成です。

容器の内面は、「オブジェクトをコピー」を使います。容器の内側の面をサーフェスとして取り出す機能です。ただ、パーツ内で使うと、コピーが出来てしまいます。これだと容器の形状変更に追従しません。容器の形状が変わる事が無ければこれでも良いですが、形状変更に追従する方が使い勝手の良いモデルになります。そのためにはアダプティブの機能を利用します。

容器 と 水 のアセンブリ

アセンブリモデルを新規作成し、容器のモデルを原点に配置します。

アセンブリモデルを介して、水のモデル上に容器の内面形状のサーフェスをコピーします。

  1. インプレイス編集で水のモデルを作成ます。

  2. 「オブジェクトをコピー」を使って、容器の内面をサーフェスとしてコピーします。

  3. 液面の高さまで、プロファイルを押出します。

  4. 容器の内面形状のサーフェスで、水のモデルを切り取ります。

  5. インプレイス編集を抜けます。

容器 と 水 のアセンブリ(完成)

容器の材料と外観にガラスの設定、水には水の設定を与えて完成です。

アダプティブの関係が出来ています。
図面化したもの
パーツリストに材料と質量を表示

液面の高さを変更してみます。
モデルが追従しているのが分かります。

容器の形状を変えてみても、モデルが追従しているのが分かります。

図面上から液面の高さを変更できるiLogicルールとフォームを作ってみました。動画をご覧ください。

まとめ

水(液体)のモデルを作るのに、分割の機能を使い、分割に使うサーフェスを取り出すために、オブジェクトをコピーの機能を使います。材料を適切に設定すれば、水の質量できます。

最後に、機械設計ではあまり使う事は無い、レンダリングをやってみました。


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