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Inventor / モデリングテクニック / アセンブリ / CADライブラリ部品の取り付け

CADライブラリ部品の取り付け

3Dfindit などの3次元CADライブラリからダウンロードしたモデルをアセンブリモデルに取り付けるときのテクニックについて紹介します。ここでは、図のキャスターを例に説明します。

キャスターユニット

3Dfinditのサイトからダウンロードしたキャスターを使います。

STM-150 VUO.iam

このキャスターを使って、キャスターユニットを作成します。
キャスターは、プレートの中心に配置し、ボルト締結コンポーネントジェネレータを使って、ボルト、座金、ナットを配置しています。

キャスターユニット完成モデル

CADライブラリ部品で考慮すべき事

CADライブラリからダウンロードした部品を使う時、以下の事を考慮する必要があります。

  • モデル形式

    • Inventor 形式でダウンロード出来るとは、限らない。

    • Inventor 以外の形式の場合は、フィーチャで受け取ることが出来ない。

  • プロパティ

    • プロパティに情報が入っていても、利用者側の運用とは違うプロパティになっていることが多い。例えば、部品番号とかメーカ名とか。

    • その場合は、置き換えが必要になる

  • 詳細度

    • 構想設計段階で、他の部品がラフ形状なのに、ダウンロードした部品の詳細度が高いとバランスが悪いです。

    • パーツとして扱いたいのに、アセンブリ構成になっている場合も扱いにくくなります。

  • 精度

    • 作成元のCADによっては、精度に問題があり、拘束が出来ない場合があります。

      • 円に見えるけれども、実際にはスプラインになっていて、拘束に利用できない。

      • 平面度、直角度などの精度が悪いと、ある拘束はできても別の拘束が出来ない、あるいは作った拘束がエラーを出す。 など

今回のキャスターの場合は、Inventor のモデル形式で、かつフィーチャもついていました。ただし、取付穴が長穴になっているので、アセンブリの拘束もジョイントもちょっと使いにくい状態です。

長穴の中心位置のピッチが90x90

ダウンロードした部品に、スケッチを追加する

アセンブリしやすくするために、長穴のあるプレート形状の部品に、スケッチを追加します。

追加したスケッチ形状
長穴の中心を求める方法

長穴のちょうど中心の位置を作図で求める方法を説明します。

  1. プレート上面にスケッチを新規作成

  2. 長穴(1か所)をプロジェクト投影

  3. 投影された長穴の直線部の中点同士をつなぐ補助線(A)を作成

  4. プレートの中心と補助線Aの中点を使って、「長方形 2点中心」を作成する。できた矩形の頂点が長穴の中心点となる。

  5. 中心点の点のモードを、点から中心点に変更。十字のマークにする。

プレートとキャスターをジョイントで拘束

キャスター側のプレートの円周状エッジを利用して、プレートとキャスターをジョイントで拘束します。

ボルト締結コンポーネントジェネレータを使ってボルト類を取付

キャスター側のプレートに追加したスケッチ点を利用して、ボルト締結コンポーネントジェネレータで、ボルト・座金・ナットを配置します。

プレートに穴が追加されています。

履歴のない形状モデルの扱い方

ダウンロードした部品が他形式の場合は、Inventorのフィーチャの様な履歴がありません。ダイレクト編集の機能を使うこともできますが、フィーチャ編集と比べると使いにくいです。

ボルト締結コンポーネントジェネレータで、締結部品の取付位置を指示する場合は、キャスターユニットで説明したような、スケッチ点を追加する方法が実用的かと思います。

Inventorのアプリで、Feature Recognition を使うと、履歴の無い形状モデルをフィーチャベースの形状モデルに変換することができます。Inventor,のサブスクリプションユーザであれば無償で利用できます。

ただし、全てを一度に全自動でフィーチャモデルに変換しようとすると、かなりの確率で失敗します。なので、フィーチャとして必要な部分のみを部分的に変換することをお勧めします。例えば、穴の部分だけとか。





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