演技とアイドル

前記事「Youtubeとテレビ」の続き。
Youtubeに芸能人が参戦することの是非について論争が巻き起こってると話したが、これと似たような事があったことを思い出した。
それは舞台にアイドルが出演することの是非である。
以前ツイッターで回ってきたツイートでとある演出家がアイドルが舞台に出てくるのに嫌悪感があると発言していた。
その方の言説によると、演技初心者のアイドルが大劇場で主役をいきなりするのは“ズルい”。若い頃から研鑽を積んでる俳優が可哀想だと発言していた。(うろ覚えの部分もあるため正確ではないとは思うがこう言った意味合いだった。)
これこそ、前記事でとあるYoutuberが言っていた
「芸能人としての知名度でYoutubeに進出してきてもある程度再生されたり、チャンネル登録されたりしていてズルい」
この言葉とほとんど同じではないだろうか?
アイドルが大劇場を埋めるほどのファンを獲得するのは簡単なことではない。
身近にアイドルグループに入った人がいるのでわかる。
彼女は夏休みに某アイドルグループに合格した。
夏休み前はほとんど毎日学校に来ていた彼女は夏休み後はほとんど毎日学校に来れなくなった。たまに来たな、と思うと表情や雰囲気からも疲れているというのがわかるほどであった。
そんなに頑張ってもアイドルとして売れるのはほんの一握りなのだ。
それだけ厳しい世界で生き残って大劇場を埋めれるほどのファンがいると言うのは凄いことなのだ。
実績である。
例え、そのアイドルが演技未経験でもこの舞台のために一所懸命努力する。そう思えるのだ。だってこれだけのファンを獲得するのには並大抵の努力では出来ないから。
さらに、商業的な観点から見ても、チケットが確実に売れるであろうアイドルを使うのは正論だ。
ファンが多数いてチケットを2000枚捌けるアイドルとチケット100枚捌くのでも精一杯な俳優だったら確実にアイドルを使った方が商売として成功するのだ。
このようにいろんな観点から見てもアイドルが舞台に出るのは一向に構わないと私は思う。
そもそも何かの片手間で演技できるほどこの世界は甘くない。片手間でやってる人は長続きしない。
何を隠そう僕は役者をやっているのだが、この他業種の人がテレビドラマや映画、舞台などに出てる場合に限らず、他人に対して「いいなー」などと羨望や嫉妬の気持ちを抱いた時はこう思うようにしてる。
「この人たちも他の場所で頑張って今の座を勝ち取ったのだろう。僕も頑張らなければ。」

ズルいと言うことは簡単だが、その人たちがそれまでどんな人生を歩んできたのかを一回考えてから改めて「ズルい」と言ってみて欲しいものだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?