第51回高松宮記念

 どうも、1号です。今回予想するレースは、高松宮記念です。もうG1シーズンに入ってしまいました。時の流れは本当に速いですね。しかし、難解ですねぇ。考えていて苦しいくらい難解。あとは神頼みですよ。私の予想はこちらです。

◎ダノンスマッシュ
〇インディチャンプ
▲モズスーパーフレア
△サウンドキアラ
☆レッドアンシェル

 本命はダノンスマッシュにします。昨年の香港スプリントでは堂々たる優勝。今回の高松宮記念へはG1タイトルを引っ提げて乗り込んできます。ここは勝って欲しい。完全に願望が出てしまっていますが。昨年のスプリンターズステークスでは2着と力は上位だと思います。近年の短距離戦線を賑わし続けたダノンスマッシュ。ここは国内G1制覇の最大のチャンスと捉えます。川田騎手に期待。
 対抗はインディチャンプ。春秋マイルG1を制覇しているメンバーきっての実績馬です。何と言っても安定感が魅力ですよね。初の1200m戦となりますが問題ないと踏みました。ステイゴールド産駒がスプリントG1制覇なんて、夢があるじゃあないですか。鞍上の福永騎手は高松宮記念3勝。期待せざるを得ません。
 単穴はモズスーパーフレアにしました。何と言っても昨年の覇者ですからね。近走は結果に苦しんでいますが、力と適正はあると思います。そのため、この舞台で返り咲くことは何ら違和感のあることではないと考えております。鞍上も松若騎手で臨むということで、人馬共に連覇の期待がかかります。自分のペースで進められれば本当に強い馬です。頑張って!
 連下はサウンドキアラ。昨年の重賞三連勝はすごかったですよね。こちらも初の1200m戦ですが、私はいけるんじゃないかなぁと思っています。ここで人気を落とすようならねらい目かなと。あとはやっぱし、松山騎手ですよ。今絶好調の騎手の1人だと思います。サウンドキアラと相性もばっちりですし、ここは本当に楽しみです。
 注目馬はレッドアンシェル。私は今回の高松宮記念、ハイペースになるんじゃないかと思っています。前に行きたい馬が多いように感じるので(安易!)。そのため何らかの差し馬が突っ込んでくることを予期して、レッドアンシェルを挙げさせていただきます。CBC賞勝ちの実績もあり、コース適正も良いと考えています。芝コースのコンディション、レース展開次第では一発があると思います。鞍上は池添騎手です。魅せてくれると信じています。

 いやー、難解だなぁ。自信がほとんどない。前回以上にふわふわした予想になってしまった気がします。今回は当てたい。本番が楽しみです。

<競馬fiction小説擬き>
 この「競馬fiction小説擬き」は、私1号が小説らしき何かを晒すコーナーです。内容は全部フィクションです。予想以上に拙く見るに堪えないと思いますがご容赦ください。

Title;「鏡の間」

 「ほら入れ!」
 そう言って兵士は彼の背を乱暴に押す。手をついた床の温度が自らの状況を押し付け気味に知らす。
 「処刑は明日の4度目の鐘の後行われる。」
 それだけを残して兵士は去っていった。別れの言葉としてはあまりに短い。希望を打ち砕くカチャリとした音が反響する。彼はまだ4つ足で凍土に這い蹲っている。
 「どうして……」
 か弱い声が空気に溶ける。彼はまだ2本足で立つことができなかったので、壁を使いゆっくりと体を押し上げる。ドッジも呆れているだろう。そしてこの世界に自分だけが存在するという優越性を確認するや否や態度を急変させた。
 「どうしてこうなるんだよぉ!!!」
 遠吠えが押し寄せ、引いてゆく。波が体にあたるたび冷たい塩水が傷口にしみる。既に脆い彼をより一層いびつな形に削り取る。
 「俺はアーサー王になったんだ! 負けるはずないんだ! こんなところにいるはず……」
 「全く情けないなぁ」
 突然別の声がこだまする。彼ははっとしてあふれ出る声を急いで引っ込める。首を左右へ振る。孤独。それを知った彼は一瞬の安堵を感じ取ると同時に天井を向き、
 「お前が言ったんだろうが!」
 と怒りの矛先を変える。何と都合の良い!
 「お前が言ったんだ。アーサー王になれば欲しいものすべてが手に入るって。何も失うことなく得られるって。お前が言ったんだろうが!」
 訴える。必死に訴える。嘆きにも見える。
 「俺は悪くないぞ。俺は何にも失敗なんかしてない。そうだあいつだ。あいつのミスが原因で……」
 「いい加減にしないか!」
 空間全体が歪むほどの、本日一番の雷が降り注ぐ。「アーサー王」は雷鳴でこわばる。少量金が生成。
 「そうやって自分を正当化して、すべてを他人に押し付けて、お前は今どこにいる」
 これを聞いた王は何も言えなかった。威厳はない。
 「確かに今、お前はアーサー王だ。伝説の英雄。でもお前は自分の力を過信した。そのせいでどうなった? せっかくお前を信じてくれた人がたくさん……」
 「もういい!」
 彼は持ちうる感覚器官をできるだけ塞ぐ。耐えかねた支柱が砕け崩れる。下半身全体が一気に冷え切る。依然威厳なし。
 「また失敗したんだ。こんなに恵まれた環境でも、こんなに才能ある人間になっても、俺は結局失敗するんだ。何もできないんだ、俺は」
 雨。しょっぱい。雨が彼を濡らす。そりゃあ、雷が鳴ったんだ。雨が降るのは当然。神様はため息をつくと、先ほどとは異なる心地よい風を彼のいる下流へ吹きかける。
 「本当にお前は、見栄っ張りな人間だな」
 王は腰つけている、宝石がちりばめられたベルトを眺める。無理に眺める。
「失敗する姿をだれにも見せたくない。泥臭い姿をだれにも見せたくない。だから努力しない。怖いんだろう? 報われないのが。意味のないことに必死になっている姿を見られて嘲られるのが」
 王はベルト眺めに飽き、声の方に視線を移す。もう一度立ち上がる。
 「そうだよ。怖いんだ。人に自分のかっこ悪い姿を見せるのが」
 「だから他人と関わらないように過ごした」
 残酷なまでに流暢な会話の流れ。王は呆れ笑いを浮かべる。
 「誘導尋問だな。まったくあんたはいつも鋭い。あんたと話していると体中を細い針で縫われているような気分になる」
 少量の金。会話ログが薄くなり始めるころ、神はまた風を送る。
 「本当はみんなと遊びたいんだろう?」
 彼は床に敷き詰められたタイルの隙間を必死になって見つめた。好きであるベルトを眺める時よりも一生懸命に。
 「外国製の陽気なミュージックに合わせて踊り、遊んで、笑って、楽しみたいんだろう?」
 彼はとうとう隙間探しを諦めた。悟る王。そして冷たい、だだっぴろい玉座から天を見上げた。
 「どうせ俺は失敗するよ。自分から声をかけられないだろうし、かけたところでその場きりで終わらせてしまうだろう。どうせ失敗するから俺はやらないんだよ。どうせまた嫌な気分になるだけだよ」
 「また逃げるのか。いつものように」
 「いや、もう逃げられないよ。なんたってここは牢屋だし」
 王のその顔はまさに転落者といった感じであった。。すると「神」は全く関係ない話を振ってきた。
「太陽は好きかい?」
 「ヘ?」
 当然の反応である。一体何の話だ。彼はそう思った。
 「太陽のような恒星は、時たま表面で大きな爆発を起こす」
 突拍子もない話題に、流石の「王」もばかばかしく感じた。今なら神を超えられるとも思った。だから、
 「何だ。全知全能であることの自慢か」
 と小馬鹿にしてみる。どうだ、と自己満足。しかし、
 「その爆発の影響は地球にも及ぶもので、通信系統などに大きな被害を与えるらしい」
 と神は勝手に話を進める。王は少しバツが悪くなって、彼は目線を反対側に向け、
 「とんだ迷惑だな」とつぶやいた。天は話を続ける。
 「しかし、悪いことばかりじゃない。見られるんだ」
 この言葉は荒野の王の興味を非常に引いた。そしてその目をもう一度空へ向かせた。
 「オーロラだよ」
 「オーロラ……」
 「今まで出会ったことないような美しいオーロラ。カメラでは映し出すことのできない、実際に見たものでなければ味わうことのできない感覚。興味ない?」
 急に、それも今までと異なる軽いノリで自分に話が振られたので、王は慌て、
 「まぁ……」と生返事をした。
 「いいか」
神は声のトーンを一段低くして彼に語り掛ける。
「何かを手に入れるためには、必ずリスクを冒さなければいけないんだ。何かを手に入れるためには、必ず別の何かを失わなくてはいけないんだ」
続けて言う。
「望みをかなえるには危険を冒さなくてはいけないのだ。今までの自分のイメージを失うという危険を。怖がる気持ちはわかる。自分のしてきたことが全て無駄になるかもしれない。失うだけで何も得ることができないかもしれない。でも、何もやらなければ、本当に何も変わらないんだ」
彼は話に聞き入っている。
「今のままでいいのか、イッセイ」
自分の名を呼ばれイッセイははっとした。そして
「そうだ。もう嫌だ。こんな状況もう嫌なんだ!」
と大きく声を上げた。周囲にこだまする。また波が押し寄せる。しかし今度は、むしろ心地よい。
「でもわからないんだ。どうしても自分から動く勇気が出ないんだ」
それを聞いた天は笑って
「なあに、簡単なことさ」といった。優しい風が吹く。
「お前の気持ち一つで、たったそれだけでいくらでもお前は強くなれる。だってお前は、伝説の英雄『アーサー王』なんだから」
 無造作に垂らしていた髪が舞い上がる。イッセイは笑って、
 「そうだな。俺様はアーサー王。伝説の英雄だ! 友達を作るなど造作もない!」と勝ち口上をあげた。あまりかっこいいとは言えない勝鬨。しかし、神は笑うことも、茶化すこともしなかった。
 「ありがとう。今まで色々してくれて。俺わかったよ。チャレンジしてみる」
 王は天に感謝の意を述べる。その姿は威厳に満ち満ちていた。
 「そうか。」
 暖かく、心地の良い風がもう一度吹き抜けた後、神は空へ消えていった。
イッセイは牢の入口へ近づき、息を大きく吸いこみ言った。
 「我はアーサー王である!」
 その刹那、彼の手に光が集まった。きらめきから大剣が生まれる。
 「俺、頑張るよ」
 彼はそう言い、大剣を振りかざした。忌まわしき鍵が見事に、あっけなく砕け散った。彼は空っぽの牢に一瞥し、光差す方向へと走っていった。
 そうだ。彼は既に、祝福されている。


 初めてこういうものを書いてみましたが、全然上手くいかねぇ。ここまで読んでくださった人がいらっしゃるのならば賛辞を贈りたいです。何はともあれ、高松宮記念、電撃の6ハロン戦、共に楽しみましょう!

                             Writer;1号

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