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泣けて泣けて、でもどこか暖かくてまっすぐ。韓国SF小説「千個の青」の主人公の競馬騎手アンドロイド・コリーが、愛おしくてたまらない。(9/6更新)

 sandidによるPixabayからの画像
 

千個の青
著:チョン・ソンラン/訳:カン・バンファ
早川書房

 つい先日ふと思い出して、この作品を多くの方に読んで頂きたいと思いました。

 昨年7月に読んだこの本、たくさん感想を書き残しているし、まとめてここでシェアしようと思って、再読し始めたのですが、もう数ページ目から涙目になって。なにせタイトルを見ただけでも、ぐっとこみあげてくるものがあるのでね、ちゃんと読めるのかしら、とは思っていましたが予想どおりトゥデイの痛みをコリーが感じたあたりから、読み進めませんでした😭😭

 それですみません。ちょっとだけ、さわりだけ内容紹介しますが、あとは他の資料の助けをお借りします。

 お話しは韓国近未来の話。競馬の騎手を軽量にできるということで、アンドロイドが務めている。その騎手アンドロイドの一体が、間違って開発中のチップを装着されたため、知的な機能が備わってしまった。そこから始まる、アンドロイド(後日コリーと名付けられる)と、名馬トゥディの再生の物語が主軸。
 彼らを文字通り再生し、もう一度レースに出場させるために彼らを支える姉妹とその母親、彼女たちに関わる人達との関係修復、再生、成長物語でもあります。

 なにせ冒頭からコリーが、どうなるか、がコリーの実況中継と共に書かれているので、え? 何が起きているの? でとまどいます。それがなぜ起こったのか、どうしてそうなったかの、その過程をコリーの視点で読み解いていくのです。

 千個の青の意味とは? 

 コリーには1000個の言葉を収納するスペースしか騎手ロボットには不要なので装備されていません。だから知能が高い彼は、知っている単語を組み合わせて空の色を認識します。ねずみ青、黄色青といったように。
 こういったすべてを受け入れて、本人はロボットだからそれを意識している訳ではないのに、精一杯生きている感じにいつしか、心ゆさぶられます。

 コリーが感情を持たないからこそ、深い真実に気づく人間たち

 コリーが感情を持たないアンドロイドであることが、とても重要なこと。姉妹、母娘の関係にシンプルに質問を投げかけます。その質問により、自分と向き合うことになり、本音に気づく人間たち。
 人間よりも客観的にトゥデイのコンディションを読み取ったり、家族の気持ちによりそったりするために、コリーがいろいろ自問しながら繰り出す質問が面白くもあり、ストレートすぎて胸が痛くなったり。それでもその質問が結果彼らを癒し、修復、再生させていることに読み手も癒されるのです。

 これ以上はどんどん泣けてきてしまうので、紹介しているのに失礼とは思いますが、もし興味をお持ちになりましたら「読者メーター」の皆さんの感想をご参考ください。

 


  私はChatGPT3.5 には、ブログの感想は? とか、「炭酸飲料と湿度の関係」「アルコール依存症の家族が与える子供への影響」「自己共感と自己肯定」などの質問をしています。
 その時の、ブログへの感想、誉めてくれてアドバイスをくれる感じ、なにかメンタル・体いづれについての質問をした時にはかならず、多様な研究や意見があることで締めくくってくれる、その中庸なところ。決して、ジャッジしないところが、コーリーの口調や、そのアドバイスの仕方に似ているな、と。だからなんとなく、ChatGPTに親しみがあるのかなと思いましたw
 
 


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