忘れたくない日

3歳息子がぽろぽろと涙をこぼして泣いている

小さな手で必死に涙をぬぐっている

夕暮れ時秋の風が吹く帰り道
わたしのうしろをとぼとぼと歩きながら

3歳息子は声も出さずに泣いている

保育園でもおうちでも
がんばり屋さんで
優しくて
責任感があって
空気がよめる

そんな息子は
がんばりすぎて疲れていた

わざと怒られることをして

朝ごはんのアンパンが少し潰れることに激怒＆発狂し

右足に長靴、左足にニューバランスのスニーカーを履いて、晴天の下を傘をさして歩いたりした

トイレトレーニングも始まって
きっとプレッシャーも感じてたよね

1日に何度も何度も
必死な顔のお母さんに
おしっこは！？
おしっこいこう！
とりあえずいっとこう！
と圧をかけられる日々

それでもがんばって、
疲れて甘えたくなったんだよね

保育園の担任の先生と
そんな会話をした帰り道だった

｢いっつも、○○くん(弟)のおせわしていいこ？｣

3歳息子は、わたしにそう尋ねた

わたしは、わたしが思っていた以上に
息子ががんばっていたことに気づいた

わたしが、頑張らせてしまってたんだ

“いい子”だと褒めることで
いい子じゃないといけないと
思わせていたことに気づいた

頑張らなくてもいいんだよ
とってもいい子だけど
例え、息子がいい子じゃなくっても
お母さんは息子がだいすきなんだよ

そう伝えたとたん
3歳息子は泣き出した

｢おかあさんがいっつもやさしいから
なみだがでてきたの｣

小さな手で涙をぬぐいながら
息子はそう言った

意外だった

おどろいた

わたし、いっぱい怒るのに

トイレの圧もかけるのに

余裕がなくて

息子にとっての大事な数分が待てなくて
はやくしなさいって急かすのに

ひとりの時間が欲しくて
はやく寝なさいって言ってしまうのに

ちっとも優しくない

お母さんのくせに
全然立派じゃないのに

息子はやさしいって思ってくれるのか

こんなにだめだめな
お母さん3年目のわたしを

忘れないようにしよう
忘れたくない

息子が言ってくれたこと
思ってくれたこと

こんなふうに育ってくれていること

いつも頑張ってくれていること

家族だから
親子だから
その関係に甘えないように

家族だから
親子だから
甘えられるように

今日は、忘れたくない日になった