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モチベーションを上げる上司の一言 その2

「あなたの給料を10%アップします!」
この一言は、胸に刺さりました。
(もちろん、お金が全てではありませんが・・・)

過去40年以上のサラリーマンライフにおいて、数えきれないほどの
上司がいました。
そのうちの何人かの上司は確実に自分の人生にプラスになり、業績を
伸ばす事にもとても貢献してくれました。
いまでもその経験や言葉は、自分にとっての血となり肉となっています。

以前、Yさんという「企業再生請負人」とよばれる人が、入社しました。
眉毛がカルロスゴーンさんのように三角形になっているのが、とても印象的でした。

Yさんが入社されて2ヶ月ほど経った頃、部内会議中にも係わらず秘書が
私を呼びにきました。

すぐ来て欲しいとの事。「なんか悪い事でもしたかなぁ」と小走りに
Yさんの部屋までいきました。

いきなりでした。「あなたの給料を10%アップします!」

その言葉を聞いて、ビックリしました。そんな事を今まで直接(間接も)
言われた事はありません。
この人、なんか頭をどうかしたのかな?くらいに思いました。

Yさん「そのかわりタダ上げる訳には行きません」
当然、私からの次の言葉は、「何をしたら上げてくれるのでしょうか?」

「売り上げ100億円、利益10%、在庫1億円、売掛金1億円以下。
これを達成したら、あなたの給料を10%上げます」

これは、何年も売り上げの落ち込んでいた事業部のテコ入れ策として、
私の部門をターゲットにして失地回復、V字回復しようと言うYさんの
みえみえの計画でした。

自分の部門が事業部へ貢献できるのであれば歓迎です。
勿論自分の給料だけ上がる訳ではなく、部員全員(派遣さんも)の
給料アップも約束しました。

その日以降は、目的達成の為に部下達のお尻をひっぱたき、叱咤激励し、
やれる事は何でもしました。
それまでにはきちんとやる事はやっていましたから、そう難しい事ではないと想像はしていましたが。

と、簡単には言うものの、問題は売り上げ(利益は自然に付いて来ますから)よりも、在庫と売掛金です。はっきり言って滅茶苦茶でした。
管理なんてほとんどされていませんでした。

売り上げは、お客様と年間計画を立てていたので、ある程度は見えて
いました。だめなら早めに注文をもらおうと・・・
(あまり褒められることではありませんが)

すぐさま、自分の秘書をリーダーにしてプロジェクトチームを作り、
達成までのロードマップを作成し、毎週レビューミーティングをやって、
確認と対策を取り、年末には見事達成しました。全員で万歳です。

そして、私の給料は約束通り10%アップしました。奥さんなんかは、
一番ビックリしたと思います。「なんか悪い事でもしたの?」
真面目な私が、悪い事する訳ありません。

Yさんのモチベーションの上げ方が、破天荒、言葉を変えるとハチャメチャということに尽きると思います。今の時代では恐らくは出来ないでしょう。

でも私はそう言うやり方は嫌いではありません。
いまでいうところの「成果主義」でしょうね。

これは自分の信条の元にもなることでした。

「経費は沢山使い、計画以上に売り上げを達成し、利益を得る」
いまはなかなか言える事ではありませんが、出来ない事ではありません。
責任者、経営者の腹のくくりかたひとつです。

Yさんの信念は、計画以上の利益が出たら、法人税や、所得税を
払うよりは、社員に還元した方がいいということでした。

公にはなかなか言えませんが・・・

次回は、Yさんのその後の更に破天荒なモチベーションアップの方策です。

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