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【2024日本ダービー考察①】『厩舎力』が大事

競馬に携わるすべての人が目指す競馬の頂点。
それが日本ダービー。
生涯一度しか出走することが出来ない3歳のレースで、今年は2021年に生産された7906頭の頂点を決めるのが日本ダービーというレース。
そんな日本ダービーというレースの本質を読み解くと見えてくるもの。

それは「厩舎力」が問われる究極のレースだということ。


厩舎力とは


厩舎力」とはその字の通り厩舎の力のこと。
日本ダービーから逆算したうえで、調教師のレース選択、騎手の選択はもちろん、厩務員・調教助手を含めた厩舎総合力での仕上げや日々の世話、外厩との連携など多岐にわたる。
当然出走してくる馬はGⅠ、いやGⅠの頂点である日本ダービーを勝つための「究極の仕上げ」というものを施してくる。
ボディの薄皮1枚1枚を剥がすような、壊れる寸前までギリギリを狙った負荷を掛け、輸送も含めてダービー当日の出走時間にピークになるように持っていく。

早くにピークを持っていくと馬はレース前に消耗してしまい凡走。
遅くにピークを持っていくと最後の踏ん張る場面で力を出せず惜敗。

そのギリギリを見極めチームとして実行できるのが「厩舎力」と呼ぶもの。
生き物である馬、しかも成長期にある繊細な3歳の馬をこの時期に東京芝2400mで勝てるように仕上げるというのは、口で言うほど簡単なものでは無い。
皐月賞が終わった時点で一旦放牧に出して外厩と連携して仕上げる厩舎もあれば、在厩のまま一旦緩めてから調教で仕上げていく厩舎、そしてダービートライアルを使ってそこから短期間で状態を上げていく厩舎、やり方はそれぞれ。
どれが正解とか無い世界。
しかし様々なGⅠ出走の経験や、沢山の名馬を育てた経験がここで試されるのだと思う。
飛び抜けた実力のある馬なら普通の仕上げでも勝てる。
しかし、今年のような混戦では、最後の最後に厩舎力が問われる流れになる、と私は推測している。

私の日本ダービーにおける厩舎力の判断材料

【厩舎力比較】
◎・・・過去にダービー勝ち馬を出している厩舎
〇・・・ダービー勝ち馬はいないがGⅠ勝ち馬を複数出しておりリーディング上位で”名門”と言われるような厩舎
▲・・・GⅠ勝ち馬は数頭いる厩舎
×・・・GⅠ勝ちが無い厩舎

皐月賞上位人気、上位着順の馬と別路線組の馬で厩舎力を探ってみたいと思います。

ジャスティンミラノ 友道厩舎 ◎
過去ダービー馬3頭を輩出している関西の名門厩舎で、皐月賞からダービーへ向かう中5週での在厩仕上げのノウハウはどこよりも持っている。

レガレイラ 木村哲厩舎 〇
ダービー勝ちは無いものの多くのGⅠ勝利歴あり。イクイノックスでの2着や昨年のスキルヴィングの悲劇を経験として活かすことができるか。

シックスペンス 国枝厩舎 〇
牝馬三冠を2頭も出している関東の名門厩舎。ダービーに出走できるのは今年と来年まででもちろん勝負掛かり。

アーバンシック 武井厩舎 ×
GⅠ実績なしで重賞勝利もシュトラウスのGⅢのみ。昨年3着のハーツコンチェルトのような仕上げができても勝利するには厳しいか。

シュガークン 清水久厩舎 ▲
怪物キタサンブラックでGⅠ勝利するもそれ以外の馬では勝てていない。遅いデビューの半弟をどこまで仕上げることが出来るか。

ショウナンラプンタ 高野厩舎 〇
NHKマイルCをジャンタルマンタルで制した勢いとマツクニ直伝の坂路調教で究極の仕上げが出来るか。

シンエンペラー 矢作厩舎 ◎
「世界の矢作」はダービー2勝の名トレーナー。使いつつ仕上げる厩舎力はおそらく日本一。

ダノンエアズロック 堀厩舎 ◎
昨年のダービー勝ちで複数回ダービーを勝っている唯一の関東厩舎となった。関東なのにNFしがらきをメインにしているが今回は在厩仕上げがどう出るか。

コスモキュランダ 加藤一厩舎 ×
皐月賞2着で勢いを感じる関東の新鋭厩舎だが、ダービー初出走で究極の仕上げが出来るかは疑問。

ゴンバデカーブース 堀厩舎◎
NHKマイルCで好走し、ダービーを狙って出走。社台生産で山元トレセン戻り2走目の在厩仕上げでどこまで上げてくるか。

メイショウタバル 石橋厩舎×
皐月賞で4番人気に推されるも暴走して17着。大観衆の目の前からスタートする日本ダービーで気性難で暴走癖のついた馬を仕上げるのは相当難易度が高い。


混戦の今年、勝つチャンスのある馬は◎と〇の厩舎の7頭だけ、と見ています。

◎・・・ジャスティンミラノ シンエンペラー ダノンエアズロック ゴンバデカーブース
〇・・・レガレイラ シックスペンス ショウナンラプンタ

人気馬ばっかりやんw

おまけの面白いデータ

私は勝ち馬を予想することしか興味がありませんが、たまには面白いデータを。
近10年の日本ダービーにおいて、皐月賞組・青葉賞組以外で3着以内に入った馬はたった4頭。
その馬の厩舎を紐解いてみると面白い結果が出ました。

2015年 2着サトノラーゼン 
    京都新聞杯1着(池江厩舎 ◎)
2018年 3着コズミックフォース 
    プリンシパルS1着(国枝厩舎 〇)
2019年 1着ロジャーバローズ
    京都新聞杯2着(角居厩舎 ◎)
2021年 1着シャフリヤール
    毎日杯1着(藤原英厩舎 ◎)

(結論)
日本ダービーで前走皐月賞・青葉賞以外で3着以内に入るには厩舎力が問われ、過去ダービー勝利厩舎かGⅠ複数勝利の名門厩舎の馬しか来れない

今年の出走馬で前走皐月賞・青葉賞以外の馬で条件をクリアしているのは

ダノンエアズロック 堀厩舎◎プリンシパルS1着
ゴンバデカーブース 堀厩舎◎NHKマイルC4着
シックスペンス  国枝厩舎〇スプリングS1着

このデータを見て何を感じるかは人それぞれだが、別路線から実力上位の皐月賞組、王道トライアルの青葉賞組に食い込んでいくには厩舎力が必要不可欠だということがデータにも表れている。

私が先日上げた記事です↓


馬券は自己責任ですので信じるか信じないかは
あなた次第ww

サポートしてもらうようなこと何も書いてませんw