Nemesis: Umbra preview talk

○ルールの組み立て

3時間、20分ごと9回計測という時間のフォーマットはここ1年ほどのアノマリーで定番化してきたフォーマットです。しかしUmbraアノマリーでは行われる競技に若干の変更が入り、加えて点数配分が枠ごとに100点という固定的なものから、全体で100点が各競技に枠として配分されるという形に変わりました。

この配分、すなわち重み付けが今回かなり絶妙で、結果として展開が簡単に読めないゲームになっていると思います。数が効かないわけではないが、劣勢側の戦略的な選択がものを言わないというわけでもない、という絶妙なラインを狙っているように見えます。それはそこそこ成功するんじゃないかと思ってますが、まあ結果はもう今日になったアノマリーの結果を見れば自ずとわかることでしょう。

◯配点と各ゲームの性質

CB 35点 割合配分 ポータルの取り合い
LLP 40点 割合配分 ロングリンクを連続させる
UPH 15点 総取り できるだけ多くのポータルをハックする
DC 10点 総取り 暗号解読チャレンジ

まず主張しておきたいのはDCのことです。これは現地でやる競技では(おそらく)ありません。これまで様々な形で重要情報が提供されることでアノマリーに密かに関与をしていた(そして最近では事前重要情報がなくなったことにより関わりを持てなくなっていた)暗号解読が、正式に得点を取れる競技になりました。
かなり面白い変更だと思いますが、実際にこれに取り組む主力は現地に行かない遠隔地のエージェント達となることでしょう。なので、世界中の都市で大体同様の傾向が出るスコアになるんじゃないかと思っています。各都市ごとに開催する意味は果たしてあるのかどうか。そして点数も雀の涙ほどです。全体の10%を総取りというのは決して小さくはありませんが、多くの都市では勝負を決めるほどの点差にならないのではないか、とも思います。

さて、特に話しておきたいのは残る3競技の関係です。
スコア比例の分配型であるCBとLLPですが、CBはそれほど大差がつかない当日成り行き勝負、LLPは事前の計画をしっかり立てれば8:2ぐらいのスコア差で勝つこともできる大ゲインの期待できるゲームです。LLPを実際に8:2で勝つと得点は32-8となり24点差を稼げます。これは総取り競技2つを両方取られた時の25点に少しだけ不足する点数です。それではLLPだけでは勝つことができない、と考えてしまうのは早計です。
現実的にはLLPでそれだけ好き放題できる陣営は、CBでも6:4から7:3程度での勝利を収めることができることでしょう。だから、理想的な点数読みの上ではUPHを捨てて戦闘系競技2種に専念すれば勝利を掴むことができる! はずなのですが、そこまで戦闘系競技で圧倒的な自信を持っている陣営×都市はそう多くないと思います。

十分な相対的強さを持ち理想的にゲーム運びができれば戦闘系競技だけで勝つことができる。しかし大半の都市ではそこまで理想的な形を確信するのがむずかしく、双方UPHに手を出さざるを得なくなる。すると全体的に均衡したロースコアゲームになり、結果的にDCが勝負の鍵を握る都市が出てくる。とまで上手くいくのはなかなかないと思いますが、事前計画でLLP圧倒でゲームを殺せる一部都市以外では熱戦を誘導しやすい、観戦するにはかなり面白いルールなのではないかと思います。

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