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ダミー電池でガスレンジの電池交換を不要にする

電池交換が面倒な家電のいくつかに、PKTダミー電池を入れて電池交換不要にしています。
今回は、ガスコンロに搭載してみたのですが、少しハマりかけたのでメモしておきます。

ガスビルトインコンロ ノーリツ+do

15年使ったノーリツのガスビルトインコンロがいろいろと不具合が出て、さすがにもう使いつづけられない状態になったので、同じシリーズの後継機種に入れ替えました。15年前の機種と外見上の変更点はほとんどなし。完成度の高いデザインです。
このガスコンロをはじめ、ノーリツの製品のいくつかは、電池ケースがついていて、ここに電池を入れて使います。内蔵の電子回路の電源になっているほか、着火時のスパーク(火花)も電池の電力で発生させています。年に数回電池を入れ替えるだけならたいした手間でもないのですが、電池の出力が弱ってくると、着火時のスパークの勢いが目に見えて落ちてきて、着火しにくい状態になります。そこで割切って電池を替えればいいのでしょうが、面倒くさい&貧乏性で電池切れのLEDが転倒するまで、ついつい使ってしまいます。
新しい製品に入れ替えた機会に、他の家電でも利用しているPKTダミー電池を利用して電池交換不要にしてみることにしました。

ダミー電池とは

ダミー電池とは、ACアダプタなどから引っ張ってきた外部電源を、電池と同じ形の機材を電池ケースに装着できる製品です。ぼくはPKT(Packaging Technology)の製品を愛用しています。Amazonなどでは、PKTの他にもより廉価で同様の製品が販売されていますが、出力の表記がアヤシい(直列2個のはずなのに、1.5Vしか出ていない疑いがある、とか)ので、製造元のウェブサイトがあって仕様が明確なPKTの製品を選んでいます(他社製品は使ったことがないので、他社製品が実際どうなのかは知りません)。
今回使うのは、下の図1の、単1形2本直列(3.0V)を模したダミー電池 [BE-1x2]。PKTのダミー電池は1本が本体で、DC-DCコンバータに繋がっています。入力はUSB-Aコネクタ(オス)で、ACアダプタなど、ダミー電池に給電する
機材は別途用意する必要があります。5V/2A を給電できるUSB ACアダプタがいいでしょう。入力が 1A だと、入力電力が不足して表記の出力を得られないので注意が必要です。
2本目のダミー電池は単なるスペーサーです。−極と+極を結線しているだけと思われます。

図1 PKT [BE-1x2] 製品写真

配線の検討

わが家のビルトインコンロは、真下にコンベック(ガスオーブン)があり、その真下までコンベックに給電するコンセントが来ているので、ここから電源をとることにします。ガス製品自体に穴開けなどの工作をするのは避けて、ダミー電池の配線を通せる隙間があるか探します。
電池ケース格納部(図2)をみると、筐体の外に連絡する穴(筐体部品をハトメしてできた穴)がいくつかあり、そのうち図中でピンク色で囲んだ穴からケーブルを出せれば、目立たずに配線を引き回せそうであることがわかりました。

図2 電池ケース格納部のつくり

ダミー電池本体のケーブルを途中で切断して通してみると、ジャストサイズで通りました。

図3 ケーブルを通してみる

図3の穴を通したケーブルを引っぱりだすと図4のようになります。作業しやすい位置に出てきています。

図4 引きだされたケーブル

切断したケーブルをつなぐ


ケーブルの被覆を剥きます。半田づけでつなぎ直しますが、その前に、熱収縮チューブを通しておきます(図5)。赤、黒のケーブルの半田づけ部分をそれぞれ1本のチューブで被覆し、さらに太めのチューブで赤黒2本をまとめます。

図5 ケーブルを剥き、熱収縮チューブを通しておく

赤どうし、黒どうしを半田づけし(図6)——

図6 ケーブルを半田づけ

半田づけした部分を熱収縮チューブで覆い、ヒートガンで加熱(図7)。

図7 半田づけ部分をチューブで被覆する

さらに、太いチューブで2本に割いたケーブルをまとめ直す(図8)。

図8 ケーブルを1本にまとめ直す

ケーブルを引き回す

ガスレンジ&コンベックと、キッチン什器の隙間にケーブルを押し込み、見えないように、コンセントのある下方に引き回す。わが家のキッチン什器は木製なので、ヘラで簡単に押し込めました。図9のピンクの線あたりに配線ケーブルを引き回しています。

図9 ケーブルの引き回し

ACアダプタに接続し、ダミー電池を電池ケースに入れて装着すれば完成です。
ですが——

あれれ? 着火しない

電池ケースにダミー電池を入れても、なぜか着火しません。
テスタでダミー電池の電圧を確認すると、ちゃんと3.0Vでています。
次に、ガスコンロの電池ケース(図10)にダミー電池を入れて、テスタで確認してみます。すると、まったく電圧が出ていません。
ふつうの乾電池や蓄電池を入れると、正常に3.0V出ています。

図10 電池ケース

なぜだろう。
図11は、ダミー電池のスペーサーの−極側です。

図11 ダミー電池(単1形スペーサー)の−極

おそらく、単3形のスペーサー(内側に透けてみえている緑色の物体)を、単1サイズのケースでパックしたものです。
ふつうの電池の−極は、面積の大部分に金属が露出していますが、このスペーサーの−極は、単3形の−極程度の面積に止まっています。
もう1本の電源本体の方も、−極の造りは同じです。
一方で、電池ケース(図10)の−極側のスプリングを見てみると、かなり緩い、直径の大きい巻き方になっています。このスプリングとダミー電池の−極を組み合わせても、両者が接触しないために通電しないのが、電池を入れても通電しない原因だとわかりました。

やっつけ仕事で解決

台所なのでアルミホイルが手の届くところにありました。これでダミー電池の−極を「拡張」してやりました(図12)。

図12 アルミホイルでダミー電池の−極を「拡張」

図13のようにダミー電池を入れた電池ケースをガスレンジ本体に装着し、作業完了。着火、操作パネルの電子回路も正常に動作することを確認しました。

図13 ダミー電池を電池ケースに入れて、作業完了

これで、ガスコンロの電池交換が不要になりました。
おしまい。

おまけ:USBコネクタ型のDC-DCコンバータ

ダミー電池の部分を、もう少し自作して安上がりに仕上げることは可能です。たとえば、USB入力のDC-DCコンバータはGarosaのCE009(Amazonで765円, 2022/12/20現在)などが安価に手に入ります。
PKTのダミー電池のコネクタ部分の中身は、CE009 とほぼ同じ、小型のDC-DCコンバータです。今回使った PKT の BE-1x2 は 2000 円です。仕上がりの見てくれを気にしなければ、CE009 などを使ってより安上がりに同等の工作をすることもできると思いますが、差額分で基盤のケースや単1形のスペーサーが用意されていると考えれば、ぼく的にはPKT製品は高くないと思います。


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