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写真もはじめは小さかった

6月あたまに提出した「映像文化論」の課題2のレポートが採点されてきました。

課題2のお題は、

写真の発明と発達が、社会に及ぼした影響を写真の歴史をふまえて考察しなさい

ダゲールが発明した世界初の実用的写真撮影法の「ダゲレオタイプ」から、タルボットの「カロタイプ」、アーチャーの「湿式コロディオン法」といった様々な撮影方法や、露出時間の短縮、印画紙の品質向上など、写真の発明と改良による人々や社会への影響を考察せよ、というテーマでした。

実際に「ダゲレオタイプ」の写真を東京都写真美術館で開催されていた「写真の起源 英国」展(すでに終了)で見てきました。

マチルダ、ラザモンド、エラ・タルボットのダゲレオタイプによる肖像
アントワーヌ・クローデ 1843年頃

テキストや書籍で見ていた印象よりもずっと小さい。第一印象は「小さ過ぎて見えない!!」でした。名刺よりもぜんぜん小さい。「小さな手鏡になにか描かれているなぁ」ぐらいの像なので、ルーペなんかで見ないと正直何が写ってるのかわからないぐらい。

それでも当時の人々からしたら、まだその程度でしかなかった「写真」であっても衝撃的な登場だったのだろう。技法や道具が改良されていくにつれてその大きさ、鮮明さ、表現の豊かさが劇的に進化していく様子は、いまの時代のテレビやケータイの画面が大きく、鮮明になっていくのと同じような感覚だったのだろう。

そんなことを想像しながら、写真の登場による人々の「正確性」と「時間」に対する捉え方の変化、さらには数々の改良により広がった写真の可能性、人々が新たに与えられたものとして「無限に広がる世界の存在」「知識の蓄積」「アイデンティティの確立」などなど、個人、コミュニティ、社会など異なるレイヤーで起きたであろう影響を考察してみました。

先生からのコメントは、

レポートの文章も整理されていてとても見やすいレポートでした。この調子で勉強を続けていってほしいと思います。

とあっさりな感じで評価「A」。うーん、けっこう時間かけたんだけどなぁ…

次の課題は「芸術としての写真について」の考察。
よし、がんばろう。

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