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【テレ東シナリオコンテスト/アイデア案・シナリオ案】知らない人んち(仮) 第3話

【今回考えたもの】

・全体の設定案(前日談)
・ゲストの役案
・シナリオ案(1) 冒頭〜アクが身なりを整えるシーン
・シナリオ案(2) ゲストが登場するシーン
・シナリオ案(3) ラストシーン

【全体の設定案(前日談)】

児童擁護施設には、竹田・アク・キャン・ジェミ・きいろの他に竹田の妻である夏菜が暮らしていた。
生まれつき身体が弱く、子どもを授かれない夏菜は、子どもたちと過ごすにつれ、子どもを産めない自分自身を責めるようになり、心を病んでしまう。
竹田は、異常な言動が見られるようになった夏菜を部屋(暗室)に軟禁し、病状を知られないようにした。

夏菜の介護で日に日にやつれていく竹田を見て、夏菜を疎ましく思うようになったアク・キャン・ジェミは、夏菜を事故に見せかけて殺害する計画を立てる。

竹田と夏菜を散歩に誘い出すことに成功したアク・キャン・ジェミは、公園の階段へと向かう。
階段の頂上で、夏菜を突き落とそうと決意するアク。その瞬間、夏菜が階段を転げ落ちる。
「皆を苦しめている」そう悟った夏菜が、自殺したのであった。

夏菜を殺してしまったと恐怖に震えるアク。3人のうちの誰かが夏菜を殺したと思いこむ竹田。
階段の下で倒れる夏菜の横には、家で寝ていたはずのきいろの姿があった。

20年後、3人を庇い、妻を殺害した罪で服役していた竹田が出所する。

唯一親交のあったジェミを通じて、竹田が出所したことを知ったきいろは、生前の夏菜から「赤信号になったら読んで欲しい」と頼まれていた手紙があることを思い出す。
施設に隠されている手紙を探し出し、夏菜殺害の疑いのあるアクとコンタクトを取るため、きいろはYoutubeチャンネルを開設する。

数週間後、ジェミから連絡が来る。アクがきいろのYoutubeチャンネルを見つけ、現場を目撃したかどうか確かめたがっているというのだ。

「そっちがその気なら、乗っかってやる」。
すべての真実を明らかにするチャンスを得たきいろは、何も覚えていないふりをして、かつての自分の家に向かうーー

※手紙には「皆をこれ以上苦しめられない。子どもたちのことを愛している。それは嘘じゃない」といった旨のことが書いてある。
※ラストは手紙を見つけ、夏菜が自殺であったことを知る。施設での思い出を胸に、きいろは本物のYoutuberになることを誓う。

【ゲストの役案】

・きいろとジェミに雇われ、手紙を探しに来た清掃員(ゆき、きり、えみ、うた、さき)役:ゆきりぬさん、きりたんぽさん、えみりんさん、前川歌音さん、頓知気さきなさん
・竹田の妻 夏菜役:佐藤菜月さん

【シナリオ案(1) 冒頭〜アクが身なりを整えるシーン】

○シェアハウス・外観(朝)
   朝日に照らされるシェアハウス。

○同・洗面所・内(朝)
   アク、身体にボディースプレーを付ける。
   鏡にきいろが映り込む。
きいろ「へぇ〜」
   アク、鏡を見て、
アク「うわっ! びっくりした!」
きいろ「アクさんって、ボディースプレーするタイプの人なんだ〜」
アク「ちょっと! あなたにはデリカシーってもんがないんですか!」
   アク、きいろを追い出し、洗面所のカギを閉める。
   唇にリップクリームを塗る。
   きいろ、扉の隙間から顔を出す。
アク「だ・か・ら!」
   アク、ハッと真面目な表情になり、
アク「どうやって開けたんですか?」
きいろ「えっ?」
アク「洗面所のカギ」
   きいろ、慌てて、
きいろ「さ、最初から開いてましたよ」
アク「ここのカギ、外から開けられるんです」
   アク、外から鍵を開けてみせる。
アク「コツさえ知っていれば」
   アク、きいろをじっと見る。
アク「コツを知ってるのは……」
   玄関の方からピンポーンとチャイムが鳴る。
きいろ「あっ! お客さんだ!」
   きいろ、慌てて出ていく。
アク「やっぱり……」
   確信した表情のアク。

【シナリオ案(2) ゲストが登場するシーン】

○シェアハウス・玄関・内(朝)
   きいろ、走ってやってくる。
きいろ「お待たせしました!」
   きいろ、玄関を開ける。
   ツナギを着たゆき・きり・えみ・うた・さきが入って来る。
ゆき「おはようございます! ワイワイクリーニングです!」
きいろ「えっ!?」
きり「お家のお掃除に来ました!」
えみ「おじゃましまーす!」
   ゆき・きり・えみ・うた・さき、靴を脱ぎ、ドタドタと家に入って来る。
   キャン、やって来る。
キャン「どうしたの?」
きいろ「お掃除みたいです」
キャン「え? そんなの頼んでないよ」
ジェミの声「私が頼んだの」
   きいろとキャンが振り向くと、マスクをしたジェミが立っている。
   ジェミ、わざとらしく咳き込みながら、
ジェミ「最近、咳がひどくて」
キャン「本当にジェミちゃんが呼んだの?」
ジェミ「そう」
きいろ「いいんじゃないですか! お家、綺麗になって」
キャン「そうだけど……」
   うたとさき、2階へ上がろうとする。
キャン「待って! 2階は!」
   キャン、うたとさきを追いかける。
   きいろとジェミ、顔を見合わせる。
ジェミ「見つかるかしら」
   きいろ、強く頷く。

○(回想)カフェ・内
向かい合って座っているきいろとジェミ。
ジェミ「どうしたの? 急に呼び出して」
きいろ「私、思い出したの。竹田先生が出所したって聞いて」
ジェミ「何を?」
きいろ「なっちゃん先生の手紙。私、頼まれたの」
ジェミ「頼まれたって?」
きいろ「赤信号になったら読んで欲しいって」
ジェミ「それって」
きいろ「たぶん、なっちゃん先生は殺されるって分かってたんだよ」
ジェミ「じゃあ、手紙には」
きいろ「真犯人が書いてある」
ジェミ「手紙は今どこに?」
きいろ「そのことで相談があるの」
   きいろ、真剣な表情。

○シェアハウス・玄関・内(朝)
   きいろとジェミがいる。
アクの声「何してるんだ」
   アク、ジェミの隣に立ち、
アク「(きいろに聞こえない声で)計画にないぞ」
   ジェミ、マスクを指差しながら、
ジェミ「我慢できなくて。邪魔はしないから安心して」
   アク、ため息をつく。
アク「僕は出かける。清掃員の方に失礼のないように」
きいろ「はーい」
   アク、出ていく。

○同・玄関・外(朝)
   アク、スマートフォンに何かを打ち込む。

○同・リビング・内
   ゆきときり、タンスを漁っている。

○同・キッチン・内
   えみ、冷蔵庫を開けている。

○同・廊下・内
   うたとさき、天井裏を物色している。

【シナリオ案(3) ラストシーン】

○シェアハウス・リビング・内
   ゆき・きり・えみ・うた・さきがいる。
   それぞれメイクを直したり、スマートフォンをいじったりしている。
   きいろ、茶封筒を持ってやって来る。
   ジェミ、マスクを外して、
ジェミ「どうだった?」
   ゆき、気だるそうに、
ゆき「見つかりませんでした」
きいろ「そんなはずは……」
きり「隅から隅まで探したんですけど」
えみ「暗室以外は」
うた「報酬。もらっていいですか」
   うた、図々しく手を出す。
キャンの声「何を探してるの?」
   腕を組んだキャンが立っている。
   さき、きいろから茶封筒をひったくり、
さき「ありがとうございましたぁ★」
   ゆき・きり・えみ・うた・さき、出ていく。
キャン「ねぇ。何を探してるの」
ジェミ「なにも。ただの掃除よ」
きいろ「ちょっとお話ししてただけですよ。ねぇ」
キャン「もしかして」
   キャン、手紙を見せる。
   手紙には『きいろへ』と書いてある。
キャン「これのこと?」
きいろ「どうしてキャンさんが!」
キャン「やっぱり覚えてたのね。それに、ジェミちゃん。きいろと繋がってたんだ」
ジェミ「……」
きいろ「返して!」
   キャン、手紙をビリビリに破る。
   きいろ、絶句する。

   ×  ×  ×
(フラッシュ)
   幼いきいろの肩に手を置く夏菜。
   夏菜「赤信号になったら読んでね。まんなかきいろだよ」
   ×  ×  ×

キャン「あの部屋を使わなきゃいけないみたいね」
   キャン、不気味に笑う。