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流体の力 小日記


★ 11月24日 火曜日
管の中を気体や液体が流れている時、
細いところは早く流れるが、
管壁にかかる圧力は小さくなる。

これは、ベルヌーイの定理と呼ばれるもので、
こんな具体例もあります。

二隻の船が並んで航行している時とか、
反対方向から接近しながら、すれ違う時、

小型船がひきつけられ、衝突するといった、
これまでにも何回かあった事故。

その原因は、ベルヌーイの定理からわかることなのですが、
つまり、
船と船の間の気流や潮の相対的な流れによる
圧力差によって生じる不可抗力が生まれるので、
舵もままならず、
衝突を回避することができなくなる。

これは、何も、海の上だけでなく、
人がトラックや列車に巻き込まれたりすることも
あります。


★ 11月25日 水曜日
パイプ状の先に、球があって
息を吐きかけるだけで、その場に浮き上がる
子どものおもちゃがある。

これは、飛行機が飛べる
揚力の原理とまったく同じ。

つまり、
気流が速い箇所があると
そうでない場所よりも圧力が小さくなり
その圧力差によって、
その位置のまま浮き上がるというわけ。


★ 11月26日 木曜日
1912年の秋、タイタニック号の姉妹船、
オリンピック号が、外海を航行している時
小型帆船と衝突するという事故が起きた。

帆船とは100mも離れていなかった。
その帆船は、吸い付けられるように
大型客船にひきつけられ、
舵も効かず、衝突に至ったという。

これは、二つの船の間に、狭い水路ができたと同様の
あのベルヌーイの定理から説明できる。

今でも時々、こんな事故が日本でも起きている。
大型船が現れて顕著になった。


★ 11月27日 金曜日
一連の話の最後に
実験を紹介します。

ピンポン玉か発泡スチロールの球を
糸に結び付け、少し離してつるし、

その二つの球の隙間に向け
息を吐きかけたらどうなるでしょうか。

二つの球の間に気流が生じ
圧力が、外側より小さくなるから

くっつきます。

二つの船、人と列車、トラックなども
こういうこと、あり得るので、
注意が必要です。

ベルヌーイの定理を、
もっとわかりやすい形で言うと、

ホースに水を流し、放水するとき、
先をつまんで、水を飛ばしますが、

先が細くなると、水流速度も速くなり、
そこにかかる圧力が小さくなるので、
簡単に先をつまんで放水できるという
あの例です。

★ 11月29日 日曜日
誰でもできる実験を、もう一つ。

幅3㎝くらいに切った帯状の紙を用意し、
その片方を下唇に当て、紙の上側に
息を吹いてみると、どうなるでしょう。

垂れ下がっていた紙が浮き上がります。

飛行機が飛べる原理と同じです。

気流が速いほど、そこにかかる圧力が
小さくなるために起きます。

じゃ、なぜ気流が速いと、
そこにかかる圧力が小さくなるかというと、
これは、
気流が速い分、壁に衝突する分子も少なくなるから。

そもそも、圧力とは、多数の分子が壁にぶつかる時の
力の合計の結果です。

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