猛暑ももうすぐ

カニなど、小さな生き物は、
この暑い夏、どう過ごしているのだろう。
ひんやりした地面の深い穴の中で
案外楽にしているかも。

イノシシは、
森の奥の、深い茂みの木陰の下に
半身がすっぽり入る穴を掘って
過ごしている。
その跡を、これまでいくつも見てきた。
触ってみれば、表土の下はひんやりしている。

地上だけが住処ではない。
地下も生存に適した場所ではなかろうか。
第一、温度が地上に比べて直接的でなく、
夏は涼しく冬は暖かい。
地上生活だけでなく、
地下生活のことを、生き物から習いたい。

あまりに暑い日が続くので、
避暑について、
あれこれ思ったことを書き連ねてきたけれど、

月も満つれば欠けるという道理もある。
満月だったのが、あっという間に三日月になったりする。
また、嵐も長続きしない。
あらゆる絶頂期は、いずれ衰退していくもの。

猛暑も、もうすぐ終わるだろう。

実際、朝の散歩も涼しくなった。
真っ盛りの夏、このど真ん中の暑さの中に、
どことなく、虫の鳴き声も交じって、
斜めに傾いた西日の、陽射しの中に、
すでに秋の気配さえ感じられなくもない。

事実、地球は、着実に太陽の周りを公転しているし、
太陽高度も、そのうち次第に低くなるだろう。

盛者必衰の理。
とまで、言わなくても、
この暑さも、もうすぐ終わりを迎える。