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支援現場で起こりがちな配慮と遠慮の間違い

 障害福祉の支援現場では、利用者に対して配慮が必要な場面があります。いわゆる合理的配慮です。

「合理的配慮」とは、「障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう。」と定義されている。

文部科学省

 例えば、学習障害(LD)の方に対して漢字ではなくルビを振って伝える。などもその一つ。
他にも、感覚優位の方に対して外部刺激がかかりにくい個別の環境を用意する。や、指示理解が難しい方には、一つ一つの指示を分けて、カードで支援を行うなど

 ここまでは、納得できるかと思いますが、場面によっては障害から難しいのか、それとも単に性格や気分によるものなのかの判断が難しい場面があります。

 そこで起こりがちなのが、それは、「配慮」なのか。それとも「遠慮」なのか。という問題です。

支援員が、伝えたい事があるけど、この事を伝えていいものか?
やり方は決まっているけど、この方法は厳しいのではないか?

などが、頭をよぎる場面があると思います。

ここで、ハッキリとしておくべき事は事業所としてのルールです。
生産活動などにおいては、結果が大事ですので、その結果が変わらず生産性
があがることに関しては、変化があって然るべきです。

ただし、例えば、食品などを扱う場面で、衛生管理に影響があることに関しては、障害の有無に関わらず徹底して遵守するルールとなります。

 もちろん、感覚過敏等で、着用するものや外部環境によって、できない場面もありますが、そこは、できるように本人を変えるのではなく、着用するものに変化をつける。外部環境を整えるなどが配慮です。

 できない事を無理矢理はできるようにすることができません。その場面で周りを変えずに伝えることをしない。という「遠慮」が起こりがちですが、これは支援員の側が変化をつけるタイミングです。

 「配慮」は他人を思い、物事に注意を払うこと
 「遠慮」は、他人に対して、伝えたい事があっても言葉や行動を慎むこと

誤解の無いように補足ですが、決して「遠慮」は悪いことではないです。断る場面でも「遠慮しておきます」という事があるように意思表示としては、使うこともあります。

 ただ、支援現場では、利用者に対する支援は「遠慮」ではなく「配慮」を心がけたいものです。

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