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日本古来の実生柚子の種、ワタを使いこなす

おはようございます。ゴールデンウィークだったので、今日は久しぶりに福祉事業所に行くシェフ高橋です。

ご依頼いただいてたお菓子や、事務仕事がたんまり溜まっているので、ドキドキです〜

その福祉事業所では、実生(みしょう)柚子を使った作業があります。

実生柚子

実生の柚子とは、接ぎ木で育てた柚子ではなく、種から育ち、18年もの歳月をかけて大きくなった木に、やっと実った柚子であります。言うなれば、実生の柚子は100%柚子の遺伝子が作りだした野生の柚子。一方の接ぎ木の柚子は、カラタチなどの台木の影響を受けた柚子。両者の違いは、口に入れると一目瞭然。実生の柚子の方が、断然、香り高く、味も濃いのであります。

捨てられていた、果肉や果皮、種

味が濃い実生柚子ですが、果汁として利用されるもの以外の部分、皮、果肉(ワタ)種、は以前は廃棄されていました。

サスティナブル

この残った部分を使おうということで、まずはゆずの絞りカスを果皮、ワタ、種に分解します。

実は、ゆずというのは精神面にも良い効用があり、あの柚子の香りは日本人にとって落ち着く成分があります。

実際、福祉事業所の現場でもゆずの作業をしていると落ち着くかたもいらっしゃいます。ちなみに、西洋ではラベンダーにこの効用が見られるのですが、日本人にとっては馴染みのある香りがいいんでしょうね。

加工品いろいろ

果皮はシロップでたくことで、甘苦い柚子ピールに加工します。レストランなどでは、パウンドケーキに入れたり、ヌガーグラッセという氷菓に入れて使っています。

また、ワタの部分は日本酒とシロップで炊いて、ゆずシロップを作ったり、氷砂糖とアップルビネガーで漬け込んで、ゆずビネガーにしているのですが、なかなかこれが美味しいので好評です。

種の部分にはペクチンが含まれ、保水性、ぬめりがお肌にも良いとされていますので、化粧水にもできます。

今は、オフシーズンですが柑橘の香りはさっぱりするので、これから暑くてジメジメする季節にもおすすめです。

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