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支援員と利用者の心理的安全性

 最近、職場の心理的安全性について書かれた本がいくつか出ているので時々読み返すことがあります。

 同僚、部下、上司などとのコミュニケーションをとる上で、意見の出やすい環境作りなどが主なテーマとなっていて、とても興味深い内容です。

今回noteを書きながら、audibleで無料で聴ける(会員登録必要)が分かったので、改めて拝聴しようかと思います。

と、前置きはここまで。

今日は、支援員と利用者間における心理的安全性について、私なりに思うことを書きたいと思います。

 伝え方、ティーチング、コーチングなど、様々な技法があると思いますが、一番最初にしておくべきことはラポールの形成です。

「ラポール」とは、心理学の用語で、主にセラピストとクライエントの相互の信頼関係のことで、フランス語で「橋を架ける」という意味から、心が通じ合い、互いに信頼しあい、相手を受け入れていることを表します。

では、具体的にどのように、心を通じさせるか。

支援員は、利用者本人以上に、その利用者の置かれている環境や障害の特性などを理解し、なおかつ、本人の意見を聞き取ることで答え合わせを行います。

 ここで、注意しないといけないのが、支援員が否定したいとき
例えば
・ネガティブな考え方はポジティブに考えた方が良さそう。など
・一般論では間違っている意見を聞いた時
・明らかに本人の勘違いの時

は「そうじゃないよ」と言いたくなります。(実際そうじゃないのですが)

この場合は、しっかりと聞いて、否定も肯定もなく相手の言葉を繰り返します。(ミラーリング)

会話の場面で
(仕事がいつもより雑な時の一例)
支援員「今日は、いつもと調子が違うみたいだけど、何かあった」
利用者「別に・・」
支援員「ここまで、できたら少し休憩を入れようか」
利用者「・・・」
【休憩中】
支援員「作業がいつもと違う様子だったんだけど、何かあったら教えてくれる?」
利用者「・・・Aさんに、こんな事されて、むかついたんだ。」
支援員「Aさんが、そんな事したんだ」
利用者「だから、腹が立って、イライラしてた」
支援員「そっか、腹が立ったんだね。」
利用者「うん」
支援員「今は落ち着いた?」
利用者「わからない」
支援員「わからないよね。Aさんと一緒に作業はできそう?」
利用者「やってみる」or「今日はできない」

と、Aさんには悪気はないよ。とか、思い込みじゃないか?と思っても言わずに今後の行動を確認します。
 言っている事が正しい時もあれば、思い違いの場合もあるので後で様子を伺ったり、Aさんにも確認をとる、近くの支援員にも確認をするなど情報収集をします。

 しばらくは、この繰り返しで本人が気づいていない思考のくせや、自己理解がどの程度あるかを確認しながら、一緒になってどうなりたいか、どうなってもらいたいか。を決めて進めていきます。


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