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食のプロが障害福祉に関わる。まず初めにすること

 2017年から福祉の活動(就労継続支援B型)に関わり始めました。他の事業から福祉に入ると気づく疑問や改善。

食のプロが福祉に関わると気づく事


 福祉の支援や業務内容に関しては、追々知ることになるのですが、現場に入ってみて雑然とした中で、非効率に行われている業務があることに驚きました。

 当初は、現場の現状を知るというところから始めましたが、一目瞭然でうまく機能していないと解ります。
すぐに改善を進めたいところでした。

ただ、突然外から来た私が色々変えようとしても、変化に対する摩擦(ストレス)がかかります。
 
 人は、今の仕事に対して初めのやり方が正しいという思い込みやバイアスがかかっています。
 「これまで、こうやって回してきました。」あたかもそれが当然で変えてはいけない事象として、無駄な業務が存在してます。
 
 人員配置にしても然りでした。狭い事業所にこの複数の業務とあまり関わりがないスタッフは1日通しての生産性は何なのか?わからない人もいます。

 数日、業務の流れを確認したら次は、少しずつ変更点を伝えます。
「ここを変えます。」という言い方ではなく、「このやり方はどうでしょう?」とお互いに納得感が出るように確認します。

大抵の場合「でも、そうすると〇〇の時はどうするんですか?」とか「これまでのやり方でも別に問題はなかったけど」などの意見が出ます。

これは現場が忌憚のない意見を出してくれてますのでOKです。逆に全て指示に従うけど、心の中の声が出ずに不満がたまる方が、後々トラブルにつながるので、この意見に対しては意見を出してくれたことへの真摯な対応と、責任の所在をこちらでとすることにより、今後も意見を聞きながら進めますよ。という意志を見せます。

改革はストレスがかかる

 小さな改革でも、ストレスを感じます。
私は、単純な業務で属人的になっているという仕事は、できるだけ仕組み化に変えて、誰でも同じ状態でできるようにします。
例えば、物の位置。
〇〇さんに聞いて。(〇〇さんしか知らない)をなくします。
使いたい時に、誰もが場所を把握していて、誰もが同じ場所に戻し、初めてきた人もすぐにわかるのが、物の配置で気にするところです。

この時ストレスがかかるのは〇〇さんです。これまではその場所からものを出すのが仕事だったので、それが皆で共有になるので仕事をとられると思う人もいます。

 福祉事業所では、定期的に新しい利用者さんがくるので、物の位置をわかりやすく視覚化することが求められます。

 そこを共通認識として、〇〇さんには、どうすればいいか?意見を求めることにより、新しく考えることを仕事としてもらいます。

以下は、入った当初の事業所内のビフォー、アフターです。

befor
after


3ステップを1ステップにする(動線の確保)

 物の位置を決めていく中で大事なことは、作業にかかるまでのステップをできるだけ少なくすることです。

 例えば、私の所属する福祉事業所では、お菓子の焼き作業と、下準備する場所が分かれています。
これが、商品ごとの区別になっていると、その場所に毎回とりに行って、毎回片付ける場所まで。となるので、下準備で必要なものは、その場所近辺に整理します。 
 焼き作業の時も焼き作業で使用するもの、材料をその場所にまとめます。
下準備⇨焼き となる場合は間にスペースを設け、動線が被らないようにします。

業務の最適化

 人の手がかけられるというのが、福祉事業所の強みなので、手作業で時間がかかる仕事は、多くの人数で仕上げます。(得手、不得手があるので、特性に応じて)
逆に一人の方が効率化、責任が持てることもあるので、その辺りは任せられる人員に任せるなどして、皆が同じ事ができるのではなく、適材適所を見極める時間を作り(約1〜2ヶ月)業務にあたってもらいます。

また、販売実績を確認し、高コストのものや廃棄率が高い商品については、見直しを図ります。

最後に

気づけば、福祉に関わり5年になります。コロナ禍もあり、変化が大きい5年でしたが、最近多くの業務があり、1事業所だけでは捌ききれないボリュームになりつつあるので、この先はアウトソーシングや、業務を他事業所に紹介、コンサルなどを通じて、工賃の向上や福祉事業所が作るものの価値を高めたいと思います。

 2023年までには、その活動にも注力していく予定です。
ご興味ある方はDMなどお待ちしております。


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