言語聴覚士 高橋眞由美さん

※本プロジェクトは
日比野克彦×道後温泉 道後アート2019・2020
「ひみつジャナイ基地プロジェクト」
の一環で、現代音頭作曲家の山中カメラが中心となり、障がい者や老若男女、外国人等様々な人が出会い、個人と個人のコミュニケーションを重ねながらそれぞれの身体表現を探る。
様々な人を繋ぐインターフェイスの制作、もしくは踊りに特化した共通言語、身体感覚の拡張を探り、多様な人たちが響き合える手法と場を模索し、ともに創り上げる。
最終的には、誰もが一堂に道後に集まり、踊りを楽しめる場としくみを作ることを目標としたプロジェクトです。

2月6日、松山市の言語聴覚士、高橋眞由美さんのお宅に伺い、いろいろなお話を伺って来ました。

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高橋さんとはもともと山中が大分県から移住する際、松山で住む家を探している時に友人を通じて今の大家さんを紹介していただいた方で、時々野菜なども持ってきてくれる松山の恩人のうちの一人です。
そんな高橋さんが、偶然「道後アート2019・2020」のホームページで山中の活動を見てくださり、「実は言っていませんでしたが私、聴覚障がい教育の専門家なんです」とご連絡をくださいました。
近所に住んでおられるので「まさかこんな身近に専門家がおられるとは!」とびっくりしたのですが、これ幸いとばかりに色々お話を伺いました。

高橋さんは東京の大学で聴覚障がいの教育学を学び、国家資格である「言語聴覚士」が初めて制定された1999年に合格され、資格を取得されました。
神奈川での勤務を経て、愛媛で主に乳幼児の聴覚障がいのお子さん、並びにその親御さんに聴覚を活用したことばの指導をされてきました。

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(※上の写真2枚は高橋さんが書かれた幼児と親御さんのための手話の本)
高橋さんが勤めていた「愛媛県身体障害福祉センター」では、話しことばと同じくらい手話を活用されていたとのことでした。

言語を認識する前の幼児に対する教育がどのようなものであったのか?とても興味深いお話を聞くことが出来ました。
聴覚障がいのお子さんに対して、その時々の行動と関連付けて、実際にその場面に高橋さんが立ち会い、一つ一つの物事に対して手話も使いつつ、ことばを教育されていたというお話がとても印象的でした。
私達のように聞こえる人間は、言葉や文法を自然に耳から覚え、それから文字や文章を学習しますが、聴覚障がいのお子さんに対してはそれほど細やかな教育が必要なのだと改めて感じました。
その一つ一つを教えることが「楽しい」ことだったと高橋さんはおっしゃっていました。

この日は幼児の教育についてお話をお聞きしましたが、まだまだ聞きたいことがたくさんあるので、日を改めて何回かまたお話をお聞きする機会を作っていただけることになりました。

高橋眞由美さん、貴重なお話をありがとうございました。

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