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親必読!ヘリコプターペアレントとは?



🚁 よく耳にする「ヘリコプターペアレント」って?

私の夫は教師です。

先日も、家に帰ってくるなり「本当に最近は🚁ヘリコプターペアレントが多くて学校側も対応するのが大変だよ💦」と言っていました。

思えば日本でも自己中心的で理不尽な要求をする親を表す「モンスターペアレント」という言葉が使われていたり、近年では「毒親」なんて言葉も使われています。親に関する表現で言えば「親ガチャ」という言葉が注目を集めたのも記憶に新しいですよね。それに似た言葉がイギリスにも存在するということを妙に興味深く感じてしまいました。

イギリスで使われている🚁ヘリコプターペアレントとは、

子どもに過干渉する親/過保護な親

のことを指します。

子どもの頭上をヘリコプターのごとく飛び回り監視することから、このように呼ばれるようになったのだとか。親子どもが傷ついたり恥をかいたり、失敗することを極度に嫌い、子どもから目を離せない親のことをいうのです。

🚁 ヘリコプターペアレントの一例

例えば、私が住んでいるイギリス北部スコットランドの現地校では小学校、中高校ともに生徒の学校内で携帯電話の使用は基本的に禁止されています。

子どもの安全を配慮し、もし親が子どもに連絡を取りたい場合は、学校の事務所を通さなければいけません。就業中に子どもの気分が悪くなった場合も、学校が親に連絡を取ります。就業中に子どもが自分で親に連絡をとることを学校側は認めていません。

にも関わらず、子どもの携帯に「授業はどうだった?」「授業中は何をしたの?」「誰とペアワークしたの?」と連絡を入れてくる親が少なからずいるというのです。

そこで子どもが「仲良しの友達と一緒にペアワークしたいって言ったのに先生がそうさせてくれなかった!」「制服をちゃんと着てなかったから先生に注意された」なんて内容が入ると、親は学校にクレームを入れてくるのだとか。(このあたりはモンスターペアレントにも当てはまります。)

先日も「うちの子は☓☓ちゃんと隣同士で座らないと精神的に不安定になるので、子どもの希望通りの座席で座らせてほしい」という要望があったそうです。これも、常に子どもと携帯で密に連絡を取り合い、学校での様子を監視している典型的なヘリコプターペアレントだそうです。

就学前だと、ぬりえやお絵描きの色を親が決めたり(「お空は青だね!」と青を塗らせたり、子どもが塗った色を「違う」と言って修正させる……など)、子どもが何かを作っている時に出来る前から「そうしても上手くできないよ。こうしないと……」と上手く出来上がるよう先回りしたアドバイスを出したり、口出ししたりする行動も挙げられます。

🚁 あなたはなってない?ヘリコプターペアレント

子どもの年齢によって過保護・過干渉の度合いは変わってくるもの。また私自身、子育てをしている中で過保護・過干渉は「子どもの安全を守ること」「子どもが助けを求めている時の適切なサポートをしてあげること」と紙一重なのではないかと感じることが多々あります。しかし、一般的には、

● 過度に子どもの近くにいる (いられない場合は、密に連絡をとる)
● 子どもの宿題を過度に手伝う
● 子どもの交友関係を親が決める
● 子どもの遊びに干渉してしまう
● 何かを決める時にアドバイスではなく親が決めてしまう
● 子どもが頼んでいないのに助けてしまう
● 友達とのトラブル(喧嘩など)に親が介入してしまう
● 子どもの面接や就活に親がついていく
● 子どもが失敗したり悔しい思いをしないように先回りする

などの行動はヘリコプターペアレントの典型的なパターンだと言われています。

例えば、子どもの安全のためにGPSをつける……。ここまでなら問題はない場合が多いかと思います。子どもが巻き込まれる痛ましい事件もありますし、そのような危険を回避するためにGPSを考える親御さんはいらっしゃると思います。しかし毎日子どものGPSを随時チェックし、子どもに「今日はどうしてこの道で帰ってこなかったの?」や「なんで◯◯分もここにいたの?」と子どものプライバシーを侵害したり、子どもが「親に常に監視されている」と感じるのであればヘリコプターペアレント度が高いと言えるのではないでしょうか。

🚁 子どもへの影響

親がヘリコプターペアレントの場合、子どもの精神的な成長を妨げる影響があると言われています。一般的に言われているのが、

● 問題解決能力が育たない
● 決断力が身につかない
● 指示待ち人間になってしまう
● 自己肯定感が低くなる

などの可能性。いつも親が何もかも決めてしまったり、親が誘導するような遊び方しかできないでいると問題に直面した時に必要となる「自分で考える力」や「解決する力」「判断する力」が育たなかったり、自分から動けない「指示待ち人間」になってしまう可能性もあるそうです。

🚁 線引が難しい過保護・過干渉。見極めるポイントはここ!

子どもを大切に思うあまり、

・子どもに失敗をさせたくない
・子どもに恥をかかせたくない/イヤな気分にさせたくない
・楽しく毎日を過ごしてほしい
・できた!という体験をたくさんして自信をつけて欲しい

という気持ちが先立って過保護・過干渉気味になってしまうこともあるのかもしれません。子どもは人生経験が少ないですし、不器用です。大人のように器用に物事をこなすことはできません。間違いもおかします。

私自身も普段から子どもに口出ししたいことは山ほどあるのですが、時々「これって私の考えを押し付けてるだけじゃないのかな?」「ちょっと私も親として立ち止まって、自分の行動を振り返った方がいいかも」と思うことがよくあります。そんな時に考えるのが、

● 子どもの意見を尊重してあげられてるかどうか
● 子どもを信じてあげられてるかどうか
● 子どもが失敗することを受け入れているか
● 自分(親)の意見や理想を押し付けていないか

の4点。

そして何かを決める時になるべく「あなたのしたい方を選べばいいよ」と言ってあげるように努力しています。(私自身、努力して意識しないとできておりません。苦笑) もし子どもが「決められない」「わからない」と言う時は「Aを選べばこういう可能性があるかも。Bを選べばこういう可能性があるかも」とできるだけ自分の意見ではなく客観的にものごとを捉えて、起こりうる可能性を伝えた上で「あとは自分で考えて決めてみる?」と最終判断は子どもに委ねます。これってチョット意識しないと難しいです。たまに親の私の意見をポロッ……言ってしまったことを後悔して「ごめん!ママが言ったことは忘れて!あなたのやりたいようにしていいんだよ」と前言撤回することも多々あります💧

それでも一番大切にしているのが「困った時はママに教えてね。困ってどうようもない時のためにパパとママがいるんだよ」ということ。

これから子どもが成長するにしたがって、人間関係で悩んだり、進路について悩んだりと悩みの大きさも数も深さも変わってくるかもしれません。子どもがどうしても辛い時、悩んでいる時は親として全力で相談にのるよ!一緒に解決策を考えるよ!サポートするよ!というメッセージだけは子どもにしっかりと伝えておきたいなあ、と思うのデシタ。

口出ししない子育て。
子ども軸で考える子育て。
けど、安心感を与えてあげられる親の関わり方。

自分が親になって10年――。
いつまで経っても子育てって奥が深いものだなあ、と感じる今日このごろです。