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Meditation experience for Managers(経営者のための瞑想)

雨。満開の時期がソメイヨシノより遅れる八重桜も葉をつけはじめている。

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2年ほど前から取り組んでいる瞑想が、日々の仕事に役立っている感触があるので、瞑想での気づきとそれを経営的に捉えたらを言葉にしてみた。

瞑想、経営探求者のインスピレーションになるとありがたい。システムコーチやファリシテーターの方にも役立つものと思う。

最近の瞑想ライフ

起床してすぐと、就寝前に30分程度瞑想をしている(長い時はそれ以上やることもある)。やり方は様々である。師匠に教えてもらった体観、離見、コンパッション(祈りと感謝)を軸に、外の音にどこまでも耳を傾けることも、身体の内側の感覚を深く深く探ることもある。最近は「無常無我、苦と空」の感覚を味わったりもしている。何が面白いんだろう。坐る前に今日は何を感じるんだろうとワクワクしている。

ビジョンと現実、認知と反応、目的

最近感じた気づきを文字に起こしながら、3つにまとめることができた。

1. ビジョン(夢)と現実の境界線は曖昧

ある日の就寝前にふと90分坐ってから就寝した(普段はそんなに長い時間やらない)。朝起きると、その晩見た夢(ビジョン)がかなり明確に覚えていたので、その夢を辿ってみた。

辿っている最中に、ふと夢で見る景色も現実世界で見る景色も同じものだと分かった。要は、夢(ビジョン)だろうが、現実だろうが、自分の認知の中にいることは変わらないということだ。(人間は自分の認知の外に出ることができない)

夢は当然そうだろうと感じるかもしれないが、現実も認知しているもの以外を認知できないのだ。人間は起きていようが寝ていようが、夢(自分の認知)の中にいる。

夢と現実の境界線はかなり曖昧なものだ。

2.夢(=現実)はつくるものではなく、自ずと立ち上がるもの

目を瞑ると、コンコンと雑念が湧き上がることのが見える。

何か外的な刺激を受ける(感覚)たびに、感情、思考が自動的に湧き上がる。そして、そこから感情や思考が次のそれを呼び、連鎖が始まる(=認知と反応)。

人間の感情や思考は、反応に過ぎない。全くの無からそれを引き起こすことができない。夢や現実が何がしかの認知であるなら、それらは何かの反応でしかない。つまり、夢や現実は主体的につくるものではなく、自ずと立ち上がるものだ。

だから、夢を描くなら、現実を作り出していきたいなら、適切な反応が起きるようなデザインをする必要がある。

(厳密には認知と反応の間にある空白に気づき、反応を選択していくのが妙である。)

3.アンカーがなければ一生漂い続けることになる

今朝、鼻の下の身体感覚一点に意識を向け続ける瞑想である、アーナパーナ瞑想をした(一種の体観瞑想)。改めて、興味深い体験だった。

鼻の下は、吸う息吐く息が通り抜ける。呼吸とともに「1、2、3…」とカウントをしていると、いつの間にか別のことを考えている。別のことをいつ考え始めたのかわからないくらい、自然に意識が移行している。それに気づくと、また、鼻の下の感覚に戻るというものだ。

今日は、鼻の下の感覚を見つめながら、透けるような質感で別の雑念が重なる景色が見えた。雑念の始まりとも言えそうな景色だ。そこから、雑念の透明度が低くなる(鼻の下の感覚が見えづらくなる)と、鼻の下の感覚から意識が離れるのだ。

それに気づき、まさにアンカー(碇)のように、鼻の下の感覚から手を離さないようにしているのが楽しかった。軽い嵐にいるような体験だった。30-40分くらいの体験である。

(アンカーがあったって、人は漂っているし、漂う心地よさも大切です)

経営メモとしてのまとめ

このような瞑想の体験が経営していく上での、ヒントになるから面白い。

1. 組織の目的に沿う認知(反応)を起こす環境デザイン

おかしな言い方かもしれないが、夢や現実は認知にすぎず、反応の連続にすぎない。従って、経営の重要な役割の一つは、組織の目的に沿う認知・反応を起こす環境デザインである。そして、具体的な取り組みの一つが、適切な場や問いの設定である。適切であれば、反応を選択する認知と反応の空白も生じる。

2.すでに起きている未来に組織として気づき続ける

未来と現実はともに認知に過ぎないという点で同じであるため、その境界線は曖昧である。つまり、現実と思っている景色の中に、未来がすでに入り込んでいる。なので、現実に向き合う際には、すでに起きている未来に気づき続けることが、役に立つ。そこに組織として意識を当てて、未来を立ち上げる。

3. 目的に触れ続ける仕組みこそが第一歩

人間はひたすら反応し続けているので、一箇所に留まることが難しい。組織において最も重要であるはずの、目的ですら忘れ去られやすい。なので、目的に沿う認知(反応)を起こす環境デザインの最初の一歩は、「目的」をアンカーのように扱い、それに触れ続ける仕組みづくりである。

おわりに

言葉の定義が荒いが、備忘メモとして書いてみた。

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