🔳 1-0 <臨・時・判> 話し手と心の対象の三種類の関係(関)
話し手と、その心のなかの対象。このふたつは、その場かぎりの関係をつくる。
話し手と、その心のなかの対象の、その場かぎりの関係を述べる概念を<関>(かん)と呼ぶと、英語の関には次の三種類がある。
臨(りん) 話し手と対象のあいだの空間的関係をつくる概念。いわゆる「代名詞」の多くがここに入る。臨には、話し手と対象を関係づける臨体(りんたい)、文中の概念どうしの関係を整える臨相(りんそう)、文中の体を話し手が呼び直す臨惑(りんわく)という三つのレベルがある。
時(じ) 話し手と対象のあいだの時間的関係をつくる概念。いわゆる「時制」である。英語の時は、動態(動詞)を変化させて表現し、時関(じかん。過去・現在・未来)、時相(じそう。進行形・受動態・完了形)、時脱(りだつ。原形)という三つのレベルがある。
判(はん) 話し手と、話し手自身の意識のあいだの超時空的関係をつくる概念。つまり空間や時間によるのではなく、話し手が対象と直接むすぶ抽象的関係である。判には、肯定・疑問・否定(判断)、 to~ を用いた慎重表現(判相 はんそう)、助動詞を用いた判断の微妙なニュアンスの表現(判慮 はんりょ)という三つのレベルがある。
以上をまとめると、<関>は、次のような体系をつくっている。
臨 臨体 臨相 臨惑
時 時関 時相 時脱
判 判断 判相 判慮
こうした<関>の概念と「構」(文型)がつかえれば、とりあえず英語はつくれる。
英語は、<関>からはじまるのである。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?