/l/ は「ル」?
移民や留学生が多いアメリカで、評判がいい英語発音の教科書がある。
Lisa Mojsin, Mastering the American Accent, Barron's, 2009
長年、外国人の発音を直した経験が生かしてあって、読み物としてもおもしろい。
つづりの r の読み方が二通りあることに気づいていないなど、古い音声学のままのところもあるが、ちょっとおもしろかったのが /l/ の話。
外国人が発音すると、/l/ が/w/ に聞こえることがあるというのだ。たとえば、 life といったつもりが wife に聞こえるという。
これを防ぐコツは、/l/ では唇を丸めないこと。
"Don't round your lips when you are saying the /l/ sound. This will weaken it and make it sound more like a /w/. " p.50
これは、われわれ日本語人にとってありがたいアドバイスだ。日本語の「ル」は唇を丸めるから、「ル」のイメージで /l/ を発音すると、英語人には /w/っぽく聞こえる。これは、唇を丸めて発音する子音は、英語では /w/ しかないからである。
/l/ は、日本語の「い」のように口角を引き、唇を丸めないで、舌先を上あごにつけたまま発音する。すると英語らしい発音になる。
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