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🔳 3-1-2 the には、全世界・個別場面・概念セットという「枠」がある(具態)

具態のひとつである the は、話し手が抱く心の場が枠となり、その枠のなかで統体がすでに着しているという(たい、なり)を表す(定態)。

あるものが心の場に定着するには、その場に限界=枠がなければならない。

定態を認識する心の枠には、次の三種がある。

全世界   心の場が客観的な現実の<世界>の場合。現実の世界といっても、心に反映した<世界>なので、柔軟に選べる。たとえば太陽は、地球上を<全世界>とみたとき、いつ、どこで見ても客観的に定着しているので、つねに the sun となる。ある一軒の「家」を<世界>とみなせば、台所はふつう一つで、すでに定着しているはずだから、はじめから the kitchen と呼ぶ。

個別場面   話し手がそのとき心に描いている、心理上の場面。現実に存在する場である必要はなく、自由に設定される。たとえば会話のなかで、ある人が、"I met Jane yesterday. " と言い、相手が "I know the girl." と応じたとすれば、Jane という語が、girl を定態 the で認識するための場になったことになる。

概念セット   関連する概念との関係で、当然定着している(当然、そこに存在している)と考えられる場合。たとえば話し手が、心のなかで二つのものについて語る場合、一方を one といえば、残りは当然ひとつだから、the other となる。ある一続きのものなら、それは概念上、<始まり、真ん中、終わり>を持つであろうから、the beginning, the middle, the end となる。

the を習得するには、これら三種の場を<定着の枠>として意識しつつ、定態の概念をつかむ練習をすればよい。

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