稽古はクセをとるためにある 発音トレーニングの極意

『AERA』誌に、「祇園の人間力」という記事があった(2017年9月11日号、54頁)。

祇園の舞妓さんに必要なもの。それはお座敷の雰囲気を見極める感覚と、その子ならではのキャラクターだという。つまりは個性。

では、個性を磨くにはどうすればいいのか。

「入門すると、とにかく毎日お稽古です。稽古のときには型を叩き込まれますが、型が身につくと、自然にその人らしさがあらわれてくる。個性は無理につくるものではないんです。」

現地を取材した記者は、

「最初についているのは個性ではなく、癖とみなされ、それを取るのが稽古でもあるのだ。」

とコメントしている。

...

個性と自分勝手とはちがう。むしろ、社会的に認知された規範にのっとって認識力を養い、きちんと活動しようとすると、そこに個性が現れる。

音楽、スポーツ、外国語... 普遍的な技を極めれば個性的になり、個性的になることで普遍的になる。伝統を打ち破るのも、伝統の習得から出た個性である。

たとえば英語の発音も、音声学にのっとった標準的なものを徹底して習得するのがよい。するといやおうなしに、自分のほんとうの個性的な声が現れてくる。



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