「教室英語」はたたきなおせるか? 八木克正氏の提案について
八木克正『世界に通用しない英語 あなたの教室英語、大丈夫?』(開拓社、2007年10月)
学校で教える英語の表現が古くさかったり、間違っていたりする実態を指摘し、今後の方向を提案した本。
著者は、教科書、参考書、問題集、入試問題などを総点検して、古くさい表現や間違った文法解説を日本の英語から排除すべきだという。
「その計画の実行のためには信頼のおける10名程度のいつでも相談できるネイティブ・スピーカーが必要です。
5名位の日本語を母語とする英語専門家チームと、サポート役のネイティブ・スピーカー10名があれば数年で大がかりな点検作業ができるでしょう。
学会をあげてのプロジェクトとしてやる値打ちがあると思います」172頁
こうして「点検」したあと、どうするのかが不明だが、アイディアとしてはちょっとおもしろい。
ついでに、なぜ英語の習得にこれほど無駄が多いのか。それも研究してもらいたいものだ。規範文法があり科学文法があり生成文法がありながら、なぜ英語の習得はこれほど困難なのか。
これなら学会のプロジェクトどころか、ナショナル・プロジェクトにする価値があるかもしれない。
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