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言葉はその言葉のなかで理解するのが王道

「私」は、英語の "I" に対応させるために近代になって作られた日本語。だから日英でかなり似た概念だ。

とはいえ、「私」は、あくまでも近代日本語の文法のなかにおさまっている概念で、英語の ”I” とまったく同じではない。

たとえば、「お腹が減った」というとき、英語なら"I'm hungry. " と言うが、日本語で「私は...」とはまず言わない。

このように、日本語の語彙は日本語のなかで、英語の語彙は英語のなかで、それぞれ関係をつくっている。

前置詞 to は from とペアだが、これと、日本語の「へ」と「から」の関係と比べてみても、英語を習得するにはあまり役に立たないだろう。

外国語を学ぶということは、その言語の語彙や語順が表す概念が直接理解できるように練習するということである。

それには、辞書、語源、用例、学者や先達の説明(日本語でよい)が役にたつ。

次に、概念がつかめるようになったら、その言語の表現態(音声・文字)を作る身体技法を身につける。

この練習を繰り返すと、「和訳」つまり日本語の世界に頼らなくても、外国語を直接運用する身体ができてくる。

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