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help がなぜ「ヘルプ」になってしまうか

学生が発音で苦戦する単語のひとつに、help がある。

「ル」の音が「プ」と分離して「ヘルプ」になってしまい、直すのに苦労する。実際の英語は、「ヘウ(プ)」のように全体が融合する。

コツとしては、発音 /l/ のところで、すでに唇を合わせて/p/ を先どりしておくと、  /l/ と/p/ が融合する感覚がわかってくる。

最後の /p/ は、英語の息である/h/ を唇でブロックして、力が凝縮した感じが伝わればよいので、必ずしも息を出して破裂音にしなくても良い。

 help の発音には、英語の基本的な身体感覚が働いている。

それは、静かに上昇する /h/ の気流に引かれて、あご、舌、唇が自然にくっついていく感覚である。

二枚の紙の間を気流が流れると、紙がくっつく現象に似ている(下のビデオは、人間の声とは逆に上から下へと気流が流れているが、自然にくっつく原理は声と同じ)。

 


help の場合、/h/ がつくる気流に、あご、舌、唇が引かれて、/l/ と/p/ が自然にくっついていく。こうして「ヘウ(プ)」のように、全体がひとつの流れとなって融合する。

一般に子音の消失とか、子音・母音の融合とか呼ばれるものは、横隔膜をしぼって上昇する気流に引かれて、あご、舌、唇がくっついていくという、英語の身体感覚の自然な現れである。


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