「メイク・ア・チャンス」という日本語
『人生でチャンスをつかむ女性の10の法則』(プレジデント社、2016年10月)という本をのぞきこんでみた。
著者は、「プルデンシャル生命保険 チーム『Make a Chance』」となっている。現代の日本社会で「どうすれば女性たちがチャンスを手に入れ、輝けるのか」を調査した結果をまとめた本。2頁
ちょっと興味をもったのは、このチーム名。"make a chance "という表現が、英語としては奇妙に感じたからだ。
ネットで調べてみると、単独の英語表現としては、やはり不自然のようだ。
I assume you are asking the meaning of "make a chance" in that article. I can sympathize with your feelings of puzzlement. What the author of the article is doing there is basically inventing a new expression "make a chance" so that he has the clever rhyme "take a chance, make a chance", which he hopes will arouse the reader's curiosity to find out what this unusual group of words might mean. Within the article he is using "make a chance" to mean "create opportunities for yourself", "arrange your life so that you create conditions for success". Outside the article, however, "make a chance" is not a normal expression.
https://www.englishforums.com/English/TakeChanceChanceChance/bmqxq/post.htm
だからといって、「こういうチーム名はおかしい」ということではない。
英語めいたカタカナ語は、もはや日本語の一部になっている。「サンキュー」「オーケー」などはすでに日本語といっていいし、「エキュート」のような日英融合語も増えている。
「メイク・ア・チャンス」の場合、普通の日本語では表現しにくい内容を簡潔に表現している。ただ、現状では、<日本語の体に、英語めいたカタカナの衣装を着せた日本語>である。
しかし、「女性が主体的にチャンスをつくっていく」という社会的雰囲気があるとき、make a chance が、英語として将来受け入れられる可能性もある。
いまは英語の一部になっている save face(面子を保つ)というイディオムがもとは中国語の表現だったように、日本発の表現である make a chance が、いつか英語の一部になる日がくるかもしれない。
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